リフォームすべきか、買い替えか。羽毛が吹き出す大塚家具ダウナを徹底チェック!

こんにちは、店長です!

今回は神奈川県在住のお客様からお預かりした「大塚家具・ダウナ羽毛布団」のリフォーム事例です。

「羽毛布団リフォームについて教えてほしい」とお電話にてご連絡いただいた今回のお客様。長年使用している羽毛布団からだんだんとホコリが出るようになり、お手入れするならどのようにすれば良いかというご相談でした。

品質・状態をきちんとチェックするためにお預かりした羽毛布団がこちら。

大塚家具製のダウナ羽毛布団、サイズはシングルサイズです。

ご夫婦でおなじ羽毛布団を使用されていたため、2枚同時にお預かりいたしました。

同じダウナですが、購入された時期が少し違います。こちらは2013年9月製という印字があります。

タグには「ダウナ・レギュラー」の文字が。ダウナにはプレミアム(今現在は販売されていません)、レギュラー、ミディアム、肌掛けというラインナップがあり、それぞれで羽毛量が異なるためにボリューム感と保温性が変わっています。

今回お預かりしたレギュラーは羽毛量800gで春や秋にも使用できる通年タイプ。冬用よりも保温性を抑えているので、気密性の高い住宅にお住まいの方・空調で季節問わず一定の室温を保っている方などにおすすめするような掛け布団です。

もう一枚の方は2014年9月製造。どちらも7,8年ほどの使用歴ですのでまだまだ綺麗な状態ではありますが、通気性の高い生地が使用されている影響で羽毛・ホコリの吹き出しを少なからず感じます。お客様が悩んでいたポイントはここですね。

ダウナは「軽くて暖かい」という羽毛の着心地を最大限に引き出すため、日本ではあまり一般的ではない平織りという生地が採用されています。

細い糸で繊細に織り上げられた生地は抜群に軽く、肌にぴったりとフィットします。また、通気性が高いので空気の循環がスムーズになり、体温がすばやく羽毛に伝わります。布団に入ると徐々に暖かくなるのが本当に気持ち良いので、ダウナユーザーの方は「買い換えるなら次もダウナが良いな」と思うほど。

ただし、通気性が高いことによる羽毛の吹き出しはどうしても避けられません。カバーを付け替えたり布団を干すたびに小さなホコリが目につきやすく、ハウスダストやアレルギー体質の方はかなり注意した方が良いです。

さてここからは中身のチェック。生地を開いて羽毛を取り出してみます。

取り出した羽毛がこちら。

たんぽぽの綿毛のようなふわふわダウンがたくさん。硬い羽根の芯が付いているフェザーの混入は少ないです。

ここから手作業で羽毛の種類を選別していきます。

細かくちぎれているのはダウンの破片です。元々は大きな綿毛だったものが経年劣化によってダメージを受け、小さくホコリのような形に変化しています。

このような劣化が進んでいくごとに生地からの吹き出しも多くなっていきますので、リフォームを行う目安としては大体10年〜15年ほどの使用期間に達する前がおすすめかなと個人的には感じています。

今回お預かりした羽毛布団は使用歴8年ほどですので、まだまだ綺麗な羽毛がたくさん残っていました。

もちもちと弾力があり、空気をたっぷり含む余裕のある大きさ。これこそマザーグースダウン特有の成熟した形です。

これからも長くご愛用いただける品質は十分にありますので、綺麗にお手入れしながらリフォームを進めることになりました!

リフォームの完成!

<リフォーム結果>

シングルサイズ2枚➡️シングルサイズ2枚へのリフォーム

  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を1枚あたり300g補充
  • 新品生地:綿100%・80番手平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
  • シングルサイズ(150×210cm)にお仕立て
  • 羽毛量:800g
  • 羽毛の片寄りを防ぐ完全立体キルト

出来上がり参考価格:1枚あたり72,000円(消費税・往復送料込み)

お預かりした2枚の羽毛布団はすべて解体して羽毛の洗浄を行うことから始めました。汗や皮脂などの汚れを落とすとともに、劣化した羽毛・壊れて小さくなったホコリを丁寧に取り除いていきます。

羽毛の吹き出しを抑える+ダウナのような軽さとふんわり感を維持する。

これを実現するために選んだ側生地は綿100%80番手平織り。ダウナよりも通気性を低くコントロールしながら羽毛の吹き出しを抑えるように設計しています。

それでいて1㎡あたり95gという軽量さを兼ね備えているので、一般的な綿サテン生地よりも体にふわっと感じる掛け心地を実現することができます。

生地が重いと羽毛の膨らみも邪魔してしまうので、保温性をしっかり引き出すためには生地の重量をチェックすることはとても大事なポイントです。

長く使用すると羽毛の片寄りが発生することがありますが、今回はキルティングを完全立体として仕上げているので羽毛の移動を極限まで抑えることが可能です。

ダブルサイズやクイーンサイズなど、ひとつの羽毛布団をおふたりで使用される際には特に羽毛の片寄りが発生しやすくなりますので、気になる方はキルティング方法をお店側に質問してみるのも良いかと思います。

M様、このたびは当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。

新しくなった羽毛布団で気持ちよくおやすみいただけていれば本当に嬉しく思います。

また今後とも何卒よろしくお願いいたします!