
こんにちは、店長です!
朝晩の気温も下がり、お布団が活躍する季節。それに合わせて羽毛布団のお手入れ、リフォームに関するご相談が駆け込み的に増えています。
今回は千葉県にお住まいのお客様から羽毛布団を合計4枚お預かりした事例をご紹介いたします。
お客様の希望は「シングル2枚とダブル2枚をリフォームして、新しいシングルサイズの羽毛布団をつくりたい」ということでした。

お問い合わせフォームからいただいたメッセージがこちら。
この度は、お世話になります。1997年に両親から贈られた羽毛布団を使い続けています。
西川産業東京、ダウン93%フェザー7%の表示があります。
シングル、ダブルともに夏掛け用と冬用が1枚ずつ、
スナップが付いていて2枚重ねられるようになっています。生地はしっかりしていて、破れてはいませんが、 経年の汚れがひどくて気になっています。 買い替えも考えましたが、こちらのサイトを拝見し、
使える羽毛があるならとリフォームを考えております。 冬用はシングルで1.0kg入っておりますが、
マンション住まいのためか暑すぎて、 リフォームが可能なら減らしたいと思っております。ダブルサイズは扱いづらくなってきたので、 シングルに変更したいです。 まず、
使える羽毛があるのかということとその量によって仕上がり枚数を ご相談させて下さい。よろしくお願い致します。

お預かりした羽毛布団のタグがこちら。西川産業=東京西川のロゴマークが見えます。

お預かりしたのは2枚合わせタイプの羽毛布団。シングルサイズは1.0g入りと、

0.3kg入りの組み合わせでした。羽毛が多い方が冬用、少ない方が夏用で、真冬には2枚重ねて使用できるスタイルです。

1997年から使用されているということですので、さすがに羽毛の膨らみがだんだん弱まっていると想像されます。
お悩みとして挙げられていたニオイについても同様です。どうしても夏場に使う肌掛け布団の方が少し汚れやすくなっていると思います。

2枚重ねて使用するときのボタン。

こちらはダブルサイズです。柄、メーカーともに同じではありますが、シングルサイズに比べて劣化が少なく見えます。もしかしたら使用頻度に差があるのかもしれません。

分厚い方には1.3kgの羽毛が入っています。薄い方は0.65kg入りでした。

全体的に見ると生地に付着している汚れが気になります。
汗や湿気、皮脂といったものが染み込んでいくとシミになって除去することが難しくなります。シミになったところはだんだんと破れやすくなってくるため、羽毛やホコリの吹き出しにも注意が必要です。

では、中に入っている羽毛の状態をチェックしていきましょう。
生地を通り越して、汚れが広がっていないか。元々の品質はどうだったのかを確認していきます。

生地を開いて取り出した羽毛がこちら。ふわふわとした見た目、そしてホワイト色が確認できます。

取り出した羽毛を手作業で選別していきます。

すると、小さなホコリや劣化した羽毛たちを発見しました。糸くずのように見えるのはフェザーの一部です。
このようなホコリは羽毛布団を長らく使用しているとどうしても増えていきます。羽毛が擦れ合って小さくなったり、粉々になることでホコリのような姿になったり。このような部位は保温力が弱まっているところですので、リフォーム工程の中で丁寧に取り除いていきます。

一方で、綺麗な形を維持している羽毛を発見いたしました。ダウンと呼ばれる部位です。水鳥の胸毛にあたります。
白くてふわふわとしていて、触ると宙に舞うような軽やかさを持っています。

このダウンはまさしく良質な羽毛だといって良いでしょう。密度もあり、ボールのように立体的な姿をしています。
1997年にご両親様から贈られたもの、それから28年ほど経過した今でもしっかりと羽毛は綺麗な形を維持していました。
これは捨ててしまうにはもったいないです。ぜひリフォームにて綺麗にお手入れしていきましょう!
リフォームが完成!

<リフォーム実施内容>
- お預かりした4枚の羽毛布団を解体して中身を取り出す
- 取り出した羽毛を綺麗に洗浄し、
劣化したホコリや羽毛を取り除く - 大きくて綺麗な形の羽毛を乾燥させながら、
ふわふわの状態にしていく - 側生地はすべて新調。綿100%
80番手の柔らかい生地を採用する - 生地のカラー:ホワイト1セット、アイボリー1セット
- シングルサイズ(150×210cm)に仕立てる
- 800g入り、350g入りの2セット作成
出来上がりの参考価格:154,000円(税込)
シングルサイズの羽毛布団を合計4枚作製することができました!あますところなく、羽毛を再利用した形になります。

お客様からは「あまり暑すぎるのはダメだから、適度な保温性にしてほしい」というご希望もいただいておりました。
バランスを調整しつつ、薄い方は350g入り。

厚みのある方は800g入りとして作製。お預かりした羽毛布団よりも200g少ない仕様です。
昨今の住宅事情において高気密・高断熱はもはやスタンダードになっていますので、室温に合わせた羽毛布団を使用することが快適な冬支度の要件になっています。

今回お預かりしたのはシングルサイズ2枚とダブルサイズ2枚。それらをうまく活用しながら、リフォームにて復活させることができました。

側生地は綿100%の柔らかい生地で新調。嫌なニオイもなく、すべすべとした質感に心が躍ります。

完成した4枚の羽毛布団をお客様にお届けしてから数日後、こんなメールをいただきました。
三浦綿業・三浦様
この度は大変お世話になりました。薄手の羽毛布団を早速使っております。快適でぐっすり眠れます。
数年前から側生地の汚れが気になっておりました。三浦綿業さんを知ったのは実は7~8年前で、羽毛布団のリフォーム記事を定期的に読んでおりました。新しい物を買うのは簡単ですが、両親から贈られた羽毛布団でしたので、古くてもまだ使えるところがあるのならばと今回思い切ってお願いしました。
遠方からの依頼にも関わらず、丁寧に対応して下さり、綺麗に仕上げていただきまして、本当にありがとうございました。
数年前から当店のことを知っていただいていて、定期的にチェックしていただいていたと知り、驚きとともにとても嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
少しでもブログやSNSで発信している情報が皆さまのお役にたっているとすれば、こんなに嬉しいことはありません。あたたかいお言葉をいただき、ありがとうございます!
ぜひこれからも快適に、ぐっすりおやすみいただけると幸いに思います。
引き続き、些細なことでもお気軽にお申し付けください✨今後とも何卒よろしくお願いいたします。


