カバーが外せなくなった大塚家具・ダウナ羽毛布団をリフォームする!

こんにちは、店長です!

今回は神奈川県にお住まいのお客様からご相談いただいた羽毛布団リフォームの事例をお伝えいたします。

布団から羽毛が吹き出してくる…。

お客様からお預かりしたのは大塚家具製造のダウナ羽毛布団。購入から15年ほど経過していて、暖かさや着心地にはとても満足されていたそうです。

中に入っている羽毛は大きなダウンボールが特徴のポーランド産マザーグースダウン、それを包み込む生地は綿100%で通気性の良い平織りタイプ。この組み合わせによって一般的な羽毛布団にはない「着心地の軽さとフィット感」を引き出しているのがダウナの特徴です。ふんわりとしたボリューム感もあいまって、適度な保温性を保ってくれます。

ただ、ダウナの側生地は糸の打ち込み本数(1インチ四方の生地に折り込まれている糸の本数)が少ないため、引っ張りに弱い傾向があります。ただでさえ汗や皮脂の蓄積によってダメージを受けやすいのが羽毛布団の生地。知らず知らずのうちに劣化が進んで突然ビリっと避けてしまう、といった現象がダウナでも多く見受けられます。

今回も生地の耐久性に限界がきてしまったのでしょう。布団カバーのファスナーを開くと吹き出した羽毛があちこちに散乱している。。これはお客様も大変だったろうな。。

こうなってしまうと普段どおり羽毛布団を使うことが難しくなるので、早めのパブロンならぬ、早めのお手入れがとっても大切になってきます。

羽毛布団のお手入れにはいくつか種類と段階があります。

日々のお手入れ

  • 布団カバーを取り換える。できれば週に一回がベスト。
  • 月に一度、お天気の良い日に干して湿気を逃す。
  • 干せない場合は布団乾燥機を利用する。

定期的なお手入れ

  • 布団の丸洗いを行う。頻繁に洗うと生地や羽毛の劣化に繋がるので、3,4年に一回ほどの頻度で良いと考える。
  • 生地の破れ、羽毛のヘタリを復元するために羽毛布団リフォームを行う。使用期間が10年を超えてきたら、布団の状態によって検討。羽毛が再利用できないほど劣化する前に行うべし!

というのが定石です。

布団カバーを付け替えて月に一度日干しすることが最もスタンダードなお手入れであり、やるとやらないでは羽毛布団の長持ち度合いに大きな差が出ると私は感じています。

「日干しするほうが良いのか、しないほうが良いのか」という論争がしばしば起こりますが、私は羽毛布団は絶対に日干しするべきというスタンスです。

ダウナを含め、お客様が長年使用されてきた羽毛布団を数多くチェックした結果を分類すると、定期的に日に干していた羽毛布団のほうが圧倒的に物持ちが良く、綺麗な状態を保っていることが多いです。中には「コレ、本当に20年間使った羽毛布団なの?」と、その綺麗さにびっくりすることもあるほど。

対して、一度も日に干したことがない布団では羽毛の劣化していくスピードが著しく早まる傾向にあります。布団内部に湿気がたまることで羽毛がぺちゃんこになったり、ギチギチに固まってしまったり。ダウナほどの高品質な羽毛であってもボロボロと崩れて糸くずのようなホコリになってしまう現象をいくつも見てきているので油断は禁物です。

さて、今回お預かりした羽毛はどうでしょうか?中に入っている羽毛の状態をチェックしてみました。

生地を少し開いて取り出した羽毛。ここから手分けして細かくチェックしていきます。

羽毛が壊れてホコリやファイバーのように小さくなっている部分。量的には想定内ですね。15年ほど使用すればこれくらいは劣化するかな、というレベルです。

これは保温性とか布団の膨らみには一切影響しない、いわばゴミなので、しっかり取り除いてクリーニングしておきます。

これが本来の羽毛の姿です。良質なマザーグースダウンの名に恥じない、大きくてふわふわしたダウンが数多く残っていました!

こちらは十分に再利用する価値があるので、洗浄と乾燥を行いながら綺麗にリフレッシュさせます。どこまでふんわり膨らむ力が回復するのか、今から楽しみです。

リフォームの出来上がり!

<リフォームの内容>

  • ダブルサイズ➡︎ダブルサイズへのリフォーム
  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を400g補充
  • 新品生地:綿100%・80番手平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
  • キルティング:たて6×よこ6マスキルト マチの高さ7cm
  • 羽毛充てん量:1.25kg

出来上がり参考価格:94,000円(税込)

仕上がり具合はこんな感じ。ふんわりと軽やか。気持ちよさそうな羽毛布団に生まれ変わってくれました。

羽毛の吹き出しリスクを避けるため、日本製の綿100%平織り生地に新調。通気性のよさと軽さを適度に維持しながら、ダウナよりも羽毛の吹き出しを抑えることができます。

着心地や生地の質感はダウナよりも硬くなってしまうのですが、1シーズンお使いいただくと馴染んで柔らかくなってくれるので安心です。

ダブルサイズで羽毛は1.25kg入り。一般的な羽毛布団よりも少ない羽毛量(ダブルで1.7kgほどの羽毛量が平均)ですが、こんなにふんわりと膨らんでくれます。

やはりダウナ、しっかりお手入れすることで新品当時の輝きを取り戻してくれました。ぜひこれからご愛用いただければと思います。

T様、この度は誠にありがとうございました!

またお困りごとがありましたらいつでもご相談くださいませ☆

それでは、また!