大塚家具では出来ない!ダウナ羽毛布団をサイズ変更しながらリフォームする

こんにちは、店長です!

雨が続き、悪天候が続く日々。こうなってくると布団もジメジメ湿気が溜まってきて、なかなか気持ちよく眠ることもできなくなってきます。

質の良い睡眠には枕やマットレスなどで支える寝姿勢に加えて温度・湿度の調整がポイントになりますので、毎日の汗や湿気が入り込んでいく羽毛布団にも定期的なお手入れを行いながら清潔さをたもつ必要があります。

今回は東京都にお住まいのお客様から羽毛布団リフォームについてご相談をいただきました。

お客様からいただいたご相談メールでは、

大塚家具に相談したところサイズ変更して羽毛の充填ができないとのことでこちらへ相談させていただきました。

ダウナ羽毛布団を現状夏以外で5年ほど使用(夏は薄い羽毛布団に変えています)。クイーンサイズ(羽毛量1,480グラム)をシングルサイズ2つへ分割希望です。

一戸建てで使っていますが、お布団をリフォームした後はマンションで使う予定ですので、少しボリュームを減らしても良いと考えています。納期や料金など教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

ということ。

大塚家具ではサイズ変更の羽毛布団リフォームを受付することができないというのは初めて知りました(お店によって変わるのかも?)。当店ではダブルサイズからシングルサイズに変更したり、逆にシングルサイズからクイーンサイズに変更するなどなんでもできちゃいます。事実、サイズ変更を伴うリフォームはご相談件数としてかなり多いです。

ぜひ一度現物をチェックしてほしい!ということで送っていただいたダウナがこちら。使用年数も比較的浅いのでかなりボリュームがしっかり残っている印象です。

製造年数は2014年。サイズはクイーンサイズですが、ダウナは海外仕様ですので日本サイズよりも横幅が10cm長い220×210cmという変則スタイルになっています。

こちらは日本語で書かれた品質表示ラベル。布団の中に入っている羽毛量は1.480gですので、保温性をしっかり実現できるように設定された冬用のダウナになります。

寒がりの方や冬場の寝室温度が下がる(15°c以下になる)住宅で使用する分にはかなり重宝すると思いますが、今回のお客様はもうすぐマンションにお引っ越しされるそうなので、気密性が高い寝室で使用するのにぴったりな保温性・暖かさに調整した方が良さそうです。

ダウナに使用されているのはポーランド産ホワイトマザーグースダウン。生育期間が長い水鳥はそれだけ体長が大きくなるので、体にたくわえる羽毛も大きく膨らむパワーが強くなります。布団を広げるとその膨らみ具合がよく分かりますね。

最近では「マザーグースダウン」という言葉が一人歩きしているので、かなり安価な羽毛布団にもマザーグースダウンが使用されていますが、着心地を比べればはっきり違いが分かると思います。

ふっくらとした膨らみ、手で押し込んでもグッと押し返してくる弾力性、そして体温を素早く取り込む保温性。まさに空気に包まれているような感覚を味わえるのが、良い羽毛布団の醍醐味だと個人的に思います。気持ち良いんですよ、これが。

おっと、羽毛の吹き出しが発生していました。量はそれほど多くないのでまだ心配する必要はないと思いますが、生地から羽毛がチラチラと吹き出しています。

日本製の羽毛布団にはサテン織り生地が使用されることがほぼ100%ですので、密度が高く通気性が低い代わりに羽毛の吹き出しを抑えることができるのですが、ダウナに使用されている生地は通気性の高いドイツ製平織りの中でも糸の打ち込み本数が特に少なめ(1インチあたり295本)なので、長年使用による緩みに注意が必要です。

使用して10年後には通気性が倍になってしまったり、穴や破れが発生することもよくあります。綺麗な状態を維持するためにもまずは月に一度の日干し、そして数年に一度の丸洗い、10年ほどでリフォームといったお手入れを活用しながら快適さを持続させることがダウナと上手に付き合っていく秘訣です。

それでは実際に羽毛を取り出して中身の状態をチェックしていきます。

取り出した羽毛がこちら。外観から想像していた通り、白くてふわふわの羽毛がたくさん入っていました。

手作業で選別しながら詳しくチェックしてみます。

所々に小さな羽毛や羽根、細かいホコリがありますね。新品当時から羽毛に混じって入っていたのか、5年ほど使用するうちに羽毛が壊れて小さくなってしまったのか、いずれにしても暖かさや着心地の良さを生み出すものではないのでしっかり取り除きながら、綺麗な羽毛のみを取り出していきます。

こちらが綺麗な形を維持している羽毛です。先ほどとは全然違います、とっても大きくてふわふわ。弾力性もあって真ん中の核も色濃いですよね。

羽毛の品質の良さを見極めるために店長がチェックしているのは、

  • 形の大きさ
  • 密度と触った時の弾力性
  • 引っ張っても千切れにくいかどうか
  • 羽毛に天然パーマがかかっているか

という項目です。特にストレートヘアーよりも天然パーマっぽい羽毛の方が弾力性があって粒立ちが良い場合が多いです。

ただ単に布団を見るだけでは本当のことはわかりません。こうして生地から羽毛を取り出して、直接見たり触ったりして初めて分かることをお客様にお伝えするようにしています。

このレベルの羽毛であればまだまだ再利用する価値が十分にあります。「クイーンサイズ1枚からシングルサイズ2枚」というお客様の希望ももちろんかなえることができるとお客様に報告し、実際にリフォームを実行いたしました!

リフォームが完成した羽毛布団

<リフォーム結果>

ダブルサイズ1枚➡️シングルサイズ2枚へのリフォーム

  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を450g補充
  • 新品生地:綿100%・100番手平織り(1㎡あたりの重さ:85g)
  • キルティング:たて5×よこ6マスキルト
  • 羽毛充てん量:800g入り

出来上がり参考価格:126,000円(消費税・往復送料込み)

お客様のご希望どおりシングルサイズにてお仕立て。ご夫婦揃ってお使いいただけるように2枚作成いたしました。

中に入れる羽毛量は800g。冬用よりもボリュームを落としながら適度な保温性と使用感を実現できるようにコントロールしています。

2枚揃うとこんな感じ。量が足りない分はポーランド産ホワイトマザーグースダウンの新品羽毛を補充しているので、ダウナと同じ品質をたもつことができます。

側生地には綿100%の100番手という極細糸を平織りで仕立てたものを使用しました。ダウナよりも糸の打ち込み本数が多い(1インチあたり355本)ので引っ張りにも強く、それでいて軽量かつ高い通気性を実現しています。

「リフォームしてもダウナの着心地の良さをできるだけ再現したい」とお考えのお客様におすすめしている生地なので、今回のお客様にとってもぴったりの使用感を作り出すことができました。

出来上がった羽毛布団をお送りしてから数日後、

三浦様

本日羽毛布団が到着し受領いたしました。

おかげさまで肌触りの良さそうな生地に仕上がり、夏布団に変えてしまったので秋になりましたら寝心地を試したいと思います。

このたびはお世話になりました。ありがとうございました。

というメールをいただきました。誠にありがとうございます!

ご使用になるのはまだ数ヶ月先にはなりますが、ぜひ軽やかでふんわりとした着心地をお楽しみいただければ嬉しいです!

またお困りごとがありましたらお気軽にご相談くださいませ☆

それでは、また!