ダウナ羽毛布団のリフォームで大問題!保温力が弱ってきた布団を綺麗にお直しできる?

こんにちは、店長です!

「えっ、もう梅雨明け!?」という声が聞こえてきそう。

観測史上最速での梅雨明けとなった2025年(6月27日現在)。こちら愛媛県ではこれから晴れの日が続き、気温もグングン上がってくる模様。熱中症などに注意しながら暑さに負けず、元気に過ごしていきたいなと思う今日この頃でございます。

さて、夏が本格化するにつれて羽毛布団のリフォームやお手入れに関するご相談が増えています。お問い合わせやお見積もりなど、ぜひお気軽にご相談いただければと思います✨

さて、今回リフォーム希望でお預かりした羽毛布団は「大塚家具ダウナ」。東京都にお住まいのお客様からLINE経由でメッセージをいただきました。

羽毛布団のリフォームを検討しています。

製造元は大塚家具ダウナ。現在の羽毛布団のサイズ:クイーンサイズ。

羽毛布団の使用年数:16年。リフォーム理由は長年使用してヘタってきた、以前よりも暖かくなくなった 、です。

リフォームへの希望はもっと暖かい着心地が欲しい。遠方のため羽毛布団発送用キットが必要 。以上お願いします。

とのこと。

ご自宅から羽毛布団をお送りいただくための袋や宅配便の用紙などは当店でご用意することができるので、まずはそちらを手配してから実際に羽毛布団を発送いただきました。

大塚家具ダウナ羽毛布団、2008年製造のクイーンサイズです。横幅220cmの変則サイズであること、製造年、羽毛量などを品質表示タグを見て確認していきます。

こちらは日本語表記のタグ。サイズやダウン率、羽毛量などの情報が読み取れます。

あとで詳しくご紹介するのですが、実は今回のダウナ、布団の中に入っている羽毛の量が表示とまったく異なっているというトラブルが発生してしまいました。

表示では1,480g入りと書かれているのですが、実際に測って1,800gの羽毛が入っていたのです!

表示よりも少ない訳ではないので、なんとなくお得?なのかなと感じる側面もありますが、400gも差があると保温性や着心地が全然違う別物になってしまうため、リフォームする側としては何度もg数を確認しながら精密に判断を進めていったという経緯があります。

羽毛布団の状態をチェックしていくと、生地には少し汚れとシミがあり。大きな穴や破れは発生していませんでした。

布団を広げながらチェックしていくと部分的に布団がヘタっているというかぺちゃんこになっているところを発見。おそらく羽毛が中で移動してしまい、片寄ってしまっているのだと思われます。

羽毛が片寄ることによってスカスカになると保温性がうまく発揮されないことがあるため、この現状がお客様のお悩みであった「暖かくなくなってきた」ということにつながっているのだと判断いたしました。

ひとつだけボコンと下がっているような感じ。これでは体にぴったりフィットする着心地も衰えてしまうため、なんとかリフォームで解決したいところです。

次に、生地を開いて中に入っている羽毛を取り出します。

取り出した羽毛を手作業で選別しながら。

経年劣化によって羽毛にどの程度ダメージが蓄積しているのかを調べていきます。

同時に綺麗な羽毛が残っているかどうかもチェック。ダウンの大きさ、密度、ひっぱりに対する強度、色など、さまざまな角度から品質を確認していきます。

ダウナはポーランド産ホワイトマザーグースダウンを使用しているため、成熟した大人グースだからこそ採取される大きな羽毛は16年経過した今でも健在です。

潰しても形状が変わらない姿もパワーとして備わっている、この羽毛たちは捨てずにしっかりとクリーニングして再生させるべきだと感じました。

ただ、ここで問題が。布団の中に入っている羽毛の量が多いのです!400gも!

表示通りに作るすれば1,480g入りにするべきではあるのですが、お客様は布団の保温性能が低下していることがお悩みでした。ここから量を少なくしてしまうと新品当時に感じていたあの暖かさ、あのふっくら感から遠のいてしまう可能性があります。

当店では「軽くてあったかい」羽毛布団の性能を最大限に活かしながらオーダーメイドしたり、リフォームしたいという気持ちがあるため、お客様と打ち合わせを重ねながらリフォームプランをひとつずつ組み立てていくことにしました。

リフォームの完成!

<リフォーム実施内容>

  • お預かりした羽毛布団を解体して中身を取り出す
  • 取り出した羽毛を綺麗に洗浄する
  • 劣化した羽毛や小さなホコリを取り除く
  • 濡れた羽毛は温風と冷風を繰り返しながらふわふわになるまで乾燥させる
  • 側生地を新調する(ドイツ製 最軽量 綿100%平織り)
  • 側生地に羽毛を吹き込む
  • 目減りした量とパワーを補うために新品羽毛を補充(ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%使用)
  • 羽毛量:1,800g入り
  • たて6マス、よこ7マス立体キルト縫製
  • 現状と同じサイズ(220×210cm)にお仕立て
  • カバーを付けるループを8箇所に設置

出来上がり金額:115,500円(税込)

リフォームが完成した羽毛布団がこちら。サイズはお客様の希望にあわせて横幅220cmに。日本基準のクイーンサイズより10cm幅を広くしています。

問題だった羽毛量は1,800g入りにして、今までと同じ使い心地を維持できるようにコントロールしました。ふっくらとした羽毛のボリューム感を体全体で受け止めることができるように、保温性を感じることができるようにお仕立てしています。

片寄りが発生していた部分も綺麗な状態に。スースーしやすい足元にもしっかり羽毛が入っているので安定感があります。

これからも長くご愛用いただくことができるように考えながらお手入れした羽毛布団。

見た目には分厚いですが意外に軽いんです。ドイツ製軽量の平織り生地を使用することで生まれる軽量感はクイーンサイズなどの大きな羽毛布団には必須事項。

重い布団は体にのしかかると負担になりやすく、干したりするときにも大変。個人的な好みもありますが、私は軽い掛け布団推進派です。

A様、この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございました。

お届けした羽毛布団が活躍するのはまだ先ですが、秋・冬にも快適な着心地でぐっすりおやすみいただけると嬉しいです。

またこれからもメンテナンスやアフターフォローをご案内いたしますので、お気軽にご相談くださいませ。