羽毛布団の丸洗いに失敗?リフォームで綺麗に復元してみよう!

こんにちは、店長です!

まだまだ羽毛布団が手放せない時期。夜の冷え込みがキツイ日も多いので、風邪をひかないようにあったかくしておやすみくださいね!

さて、本日は羽毛布団リフォームの事例をご紹介。群馬県にお住まいのお客様からメールでの問い合わせでこんなご相談いただきました。

2016年に購入した大塚家具・ティエドールという羽毛布団をリフォームしたい。
リフォームで実現したいことは、やはり「軽くてふんわりした着心地が欲しい・少なくなったボリューム感を回復させたい」です。1年位前に近所のクリーニング屋にだしてしまったことがあり、そのときに全体が縮んでしまった感がありました。
 

ふむ。クリーニングしたら布団の膨らみが下がってしまったというのはちょっと心配ですよね。

余談ですが、羽毛布団をクリーニングする時はドライクリーニングは絶対に避けてください。ドライクリーニングは油脂性の汚れ(化粧品やボールペンのインク、油など)を落とす際には効果を発揮しますが、布団に付く汚れの多くが汗やホコリ、皮脂などの水溶性であることを考えると、水洗いを行う方が汚れをスッキリ落とすという意味で理にかなっています。ダニ由来のアレルゲンも水洗いが効果的です。

【寝具店店長が考えた】布団に潜むダニを減らす対策・方法まとめ

また、石油系溶剤を使用して羽毛布団をドライクリーニングすると、羽毛の油脂分を取り去ってしまいスカスカに劣化してしまうことがあります。せっかくふわふわと膨らんでいた布団がクリーニングによってぺちゃんこになってしまっては元も子もありません。布団クリーニングでの失敗を避けるためにも、業者さんに洗浄方法をしっかり確認するようにしましょう。

 

さて、今回お預かりした羽毛布団を詳しくチェックしていきましょう。

大塚家具のティエドールという羽毛布団です。サイズはシングルサイズ。フランスベッドが製造しているようですね。

ティエドールという布団は同じ大塚家具のダウナと兄弟のような関係性です。ドイツ製の生地を使用して通気性と軽さに特化しているものがダウナ、サテン織り生地を使用してより日本っぽく作っているのがティエドールです。ホコリや羽毛の吹き出しが少ない方が良いという方にティエドールがおすすめされるので、西川のような寝具メーカーが製造している羽毛布団にもよく似ているタイプです。

 

なにやら数字が印字されたタグが布団に付いているのを発見。お客様が布団を預けたクリーニング屋さんに付けられたものでしょう。このタグを見た時、「この布団は水洗いされたんだ」と確信しました。布団水洗い業者ではこのようなタグを布団に付けて識別管理することが多いからです。とりあえずドライクリーニングではなかったことが分かって一安心です。

 

水洗い業者はヤマトリフレッシュサービスさん。調べてみると栃木県に工場を構える会社のようでした。HPを確認すると布団洗いの工程が書かれていて、クリーニングには軟水を使用しながら石鹸で丁寧に洗うとのこと。洗剤にも気をつけながら布団を傷めないようにクリーニングしてくれそうな印象、洗いの工程が雑な業者さんには見えません。

 

では羽毛の膨らみは本当に減ってしまったのでしょうか?クリーニングが原因なのかもしくは他の要因か。それを探るために生地を少しだけ開いて羽毛を取り出してみます。

 

取り出した羽毛がこちら。写真左がお預かりした布団の羽毛。右は新品羽毛のサンプルです。

 

購入から3年ほどしか経っていないですからね、まだまだ十分元気でキレイな羽毛に見えます。あえて言うとすれば羽毛がほぐれておらず、ゴロゴロの大きな塊になっているような気がします。

 

新品の方は羽毛が一つ一つほぐれていてバラバラになっているので、見た目にもふわふわ感が強いです。やはりピリング(羽毛が絡まってダマになっている状態)が起きています。この状態のままでは羽毛が本来よりも膨らまずに潰れてしまうので、布団のヘタリや片寄りの原因になります。

 

筒から出してみるとピリングがより分かりやすいですね。小麦粉のダマのように羽毛が絡まり合っています。

 

こうなった原因として考えられるのは、

  1. 毎日の使用で布団内部に湿気がたまり、羽毛がくっついた。
  2. 水洗い後の乾燥が甘く、十分に羽毛がほぐされないままになってしまった。

という2つの事情です。羽毛は一度濡れると完全に乾くまでにとても長い時間が必要で、不十分な乾燥では羽毛の膨らみが戻らないどころか獣臭のようなニオイ、カビが発生することもあります。あくまでも仮説ですが、もう少し乾燥をしっかり行なっていれば羽毛がほぐれて膨らみが損なわれなかったかもしれません。

また、今回の羽毛布団ティエドールに入ってる羽毛はリンゲージダウンという少々特殊な原毛であることも原因の一つと考えられます。リンゲージダウンは羽毛同士がくっつきあう性質が強く、元々絡まりやすい羽毛なのです。当店でいうスティッキーダウンとほぼ同じようなタイプなので、水洗いすることで羽毛の絡まりが余計に強くなってしまい、結果的に状態が悪くなった可能性があります。

 

余計な絡まりさえ改善できればこの羽毛布団はまだまだ現役。しっかり状態を回復できるようにお手入れしていきます!

リフォームの出来上がり!

<リフォーム内容>

  • シングルサイズ➡︎シングルサイズへのリフォーム
  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を150g補充
  • 新品生地:綿100%・100番手サテン織り(1㎡あたりの重さ:99g)
  • キルティング:たて6×よこ5マスキルト マチの高さ5cm
  • 羽毛充てん量:0.8kg

出来上がり参考価格:72,000円(税込)

 

こちらがリフォーム完成の羽毛布団。ふわふわ感、羽毛のボリューム共にしっかり回復してくれました。

 

絡まっていた羽毛はすべてプレミアムダウンウォッシュで再クリーニング。羽毛を一つ一つほぐすように水洗いしながら温風・冷風を交互に当てながら乾燥させます。

 

乾燥後の羽毛はしっかりほぐれて一つずつ分離させることに成功しました。あとはリンゲージダウン本来の力によって布団の中でふんわり膨らんでくれるはずです。

 

汚れを落とし、気持ちよく羽毛布団をお使いいただくために、寝具のクリーニング・お手入れはとても大事な役割を担います。しかし、やり方を間違ってしまうと布団が逆に傷んでしまう原因にもなりかねません。

最近ではコインランドリーも普及していますので、ご自分で羽毛布団を洗濯する方も増えていると思います。もし、ご自分で羽毛布団をお洗濯する時には、

  • お洗濯の頻度は年単位。羽毛布団ならば3,4年に一回が目安。洗いすぎると布団が痛みます。
  • 乾燥はしっかり行なってください。25kgほどの洗濯物が入る乾燥機を使用して、裏表ともに乾燥させる。
  • 乾燥後は風通しの良いところで熱を冷ましながら湿気が抜けるようにする。
  • 羽毛布団を浴槽で足踏みしながら洗うのは絶対にダメ。羽毛が壊れます。とても悲しいです。

以上の項目をぜひ覚えていただければ嬉しいです。

寝具のお手入れのご相談はいつでもお受けいたしますので、お気軽にご相談くださいませ。

それでは、また!

寝具のメンテナンス

この記事を書いたひと

店長・三浦 峻
大学卒業後、雑誌編集・ライター業を経て寝具メーカー【西川リビング㈱】に入社。4年間みっちりと寝具・眠りに関する事を勉強して地元・愛媛県に帰郷。現在は三浦綿業の店長として、眠りの大切さを多くのお客様にお届けしています。

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