【羽毛布団暑すぎる問題】寝室・体質にあった保温性の羽毛布団が欲しい!

こんにちは、店長です!

今回は愛知県にお住まいのお客様からご相談いただいた「羽毛布団のオーダーメイド」についてご紹介いたします。

お電話にてお問い合わせをいたたいだ愛知在住のH様。お話をお伺いしてみると「今使っている羽毛布団が重たくて暑いので使いにくく困っている」というお悩みを抱えている様子でした。

現在使用している羽毛布団のサイズはセミダブルサイズ。ベッドはシングルサイズなのでそもそものサイズ感が合わず、羽毛布団がずれたり大きすぎて扱いにくいということもあるのですが、H様の体質的に暑がりなのでもう少しボリューム感を抑えた羽毛布団はないものかと色々調べていたそうです。

羽毛布団のことを調べるうちに当店のHPを見つけたのが1年ほど前。そのころからブックマークしてブログをちょこちょこと読んでいただいていたということで熟考をかさね、本格的な冬がくる前のタイミングでお電話を頂戴したという経緯になります。

欲しい羽毛布団の条件は、

  • サイズはシングルサイズ
  • 奥様用と旦那様用の2枚
  • 旦那様は暑がり、奥様は寒がりなのでそれぞれに見合った保温性
  • ご自宅は気密性の高い一軒家
  • 可能であれば一年のうち夏以外のシーズンを通して使える着心地が良い

という内容。この希望をかなえることができる羽毛布団をオーダーメイドで作製していきます。

羽毛布団に空気の流れをつくること。

まずは羽毛布団に求められる性能を調整していきます。

羽毛布団の着心地や保温性をコントロールするには、

  • 布団に入れる羽毛の量と羽毛自体のパワー(ダウンパワー )
  • キルティングの形、マス目の数、マチ高
  • 側生地の種類(綿100%かポリエステルなどの合繊か)
  • 側生地の織り方(サテン織り、平織り、綾織り)

という条件を組み合わせることでいろいろなパターンをつくることが可能です。

たとえば、できる限り暖かくてボリューム感の強いシングルサイズの羽毛布団が欲しい場合には、マザーグースダウンのようなダウンパワーの強い羽毛を1.3kg使用して2層式キルトと呼ばれる仕立て方をするとかなりのボリューム感が出てくれます。

ダックダウンでも量を増やすことで保温性をプラスすることができますが、シングルサイズで1.4kg以上羽毛を入れても布団内部で膨らむ容積が足りなくなり結果的に重たいだけの布団に仕上がってしまうため、羽毛量にはある程度の限界があると考えるべきです。

見た目も豪華に光沢があってなめらかな質感を求めるならサテン織り生地を使用すると良いでしょう。

今回のお客様の希望は「軽くて適度な保温性を実現する羽毛布団」です。

1.2kgも羽毛を入れてしまうと冬にしか使えない、いわゆる暑すぎる羽毛布団になってしまうためNG。季節を通して使うということも考慮しながら羽毛量を算出していきます。

側生地は綿100%。ポリエステルを使用すると重量は軽くなるのですが、通気性が悪くなってしまうため湿気の逃げ道がなくなります。春や秋など比較的気温が高い時期にも快適に使うということを考えると湿気をスムーズにコントロールできる性能は必須です。ここはサテン織りではなく平織り生地にして軽さとともに通気性の向上を目指すべきだと考えました。

羽毛布団がなぜ暖かいのか。それは空気をたくさん含むことによる断熱効果が生まれるためです。

羽毛が空気を含みながらふわっと膨らむことで布団内部に空気の層がたくさん出来上がります。空気は断熱効果がとても強い素材ですので、外気の冷たい空気をシャットダウンする・人の体温を包み込みながら保温してくれる、という効果により「暖かい」と感じるわけです。羽毛という素材自体が発熱するわけではありません(湿気を吸収し発散する際に発熱するという現象は起こります)。

暖かい羽毛布団を目指すためには「いかに空気をたくさん蓄えることができるか」が勝負です。羽毛の量をたくさん詰め込めば詰め込むほど暖かくなるわけではありません。増量しても意味がないということさえあります。

また、いくら品質の高い羽毛でも通気性の悪い生地で包み込んでしまえば空気の流れが全くなくなってしまうので、本来の断熱効果を生み出すことができません。

どの羽毛をどれだけの量使用して、どのような生地で包み込むのか。

この条件をしっかり考えながら羽毛布団の着心地を見つけていくことがとても大事です。

完成したオーダーメイド羽毛布団。

<旦那様用の羽毛布団>

  • サイズ:シングルサイズ(150×210cm)
  • 羽毛:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%
  • ダウンパワー:440
  • 羽毛量:950g入り
  • 側生地:綿100%100番手平織り
  • キルティング:たて6マス・よこ5マス/マチ高8cm 
  • 参考価格:160,000円(税込)

<奥様用の羽毛布団>

  • サイズ:シングルサイズ(150×210cm)
  • 羽毛:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%
  • ダウンパワー:440
  • 羽毛量:1,050g入り
  • 側生地:綿100%100番手平織り
  • キルティング:たて6マス・よこ5マス/マチ高8cm 
  • 参考価格:178,000円(税込)

完成した2枚の羽毛布団。見た目はまったく同じといって良いほどの仕上がりですが、布団に入っている羽毛量がそれぞれ異なります。

旦那様用には950g、寒がりの奥様の方には1,050g入りとしてお仕立ていたしました。

旦那様の方は850gか900gでもよかったのですが「羽毛布団のふんわりとしたボリュームに包まれるのが好き」ということと「冬でも毛布をかけずコレ一枚で眠れるようにしたい」という希望をいただいたので、950gという量に決定いたしました。

奥様にはポーランド産ホワイトマザーグースダウンの膨らむ力と保温性をしっかりと感じることができるよう1,050g入りでお仕立て。西川などのメーカー製羽毛布団では1,2kgほど入れるのが目安になることを考えると少ないように見えますが、使用しているマザーグースダウンの保温性を考えるとこれ以上は入れすぎです。暑くなるばかりかコストも上がってしまうため、ちょうど良いを目指すというテーマには向かないなと感じます。

今回の軽くてあったかい羽毛布団に合わせるカバーは何が良い?と聞かれたので、通気性の良いガーゼ生地の掛け布団カバーをご用意いたしました。

カラーはソフトコーラルです。

掛け布団カバーの詳細はこちら>>https://miurasleep.theshop.jp/items/77148705

しっとりとしたガーゼ生地は肌に心地よくフィットしてくれます。通気性が良いので羽毛布団への空気の流れを阻害することもありません。

布団とカバーは写真のようにボタンでワンタッチで留めるタイプになっています。紐で結ぶ形式はどうしても使ううちにほどけたりするので面倒ですよね。

だんだんと気温も低くなってきましたので、そろそろ羽毛布団が活躍してくれる時期にさしかかります。

新しい羽毛布団に包まれながら気持ちよくおやすみいただければ嬉しいです!

H様、この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。また何かお困りごとがあればいつでもお気軽にご相談くださいませ。