羽毛を増量すればするほど暖かいはウソ?寒がりさんにぴったりの羽毛布団をつくってみた

こんにちは、店長です!

今回は愛媛県松山市にお住まいのお客様から「寒がりさんでも暖かく過ごせる羽毛布団が欲しい」という依頼をいただき、実際に羽毛布団をオーダーメイドで作製した事例をご紹介いたします。

<オーダーメイド羽毛布団の詳細>

  • サイズ:シングルサイズ(150×210cm)
  • 羽毛:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%
  • ダウンパワー:440
  • 羽毛量:1,200g入り
  • 側生地:綿100%110番手平織り
  • キルティング:たて6マス・よこ5マス/マチ高9cm 

羽毛布団についてご相談いただいたのは男性のお客様。極度の冷え性ということではないけれど冷たい空気が布団の中に入ってくる感じが苦手で、冬になると羽毛布団を抱き枕のようにしたり、寝袋のように体に巻き付けて眠っているといいます。

掛け布団を抱きしめながら眠るという方は意外に多くって、ふわふわの羽毛布団に包まれる感触が好きだという方・寒さから身を守るために工夫しているという方まで千差万別です。イメージ的には男性に多いかもしれません。

羽毛布団を着ると暖かく感じる理由。それは羽毛が布団の中で膨らみながら空気を溜め込むことによって断熱効果を生み出してくれるからです。塩化ビニールや樹脂などよりも断熱効果が高い空気によって体温をしっかり維持することができる+冷たい外気を布団がシャットダウンしてくれる、この2つの現象によって快適な保温性を感じることができます。

「できる限り暖かい羽毛布団が欲しい」という要望へのアンサーは「空気をたくさん詰め込むことができる布団を作り上げる」ということになります。小さな羽毛が多いダックやレギュラーグースよりも体長が大きく成長したマザーグースダウンを使用することが適切だと判断し、今回の羽毛布団の中身として採用いたしました。

硬い羽根の芯は極力省き、一粒ずつの弾力性が高い羽毛(ダウン)をたっぷり使用することで、理想的な保温性を実現していきます。

羽毛量は1,200g入りで調整いたしました。通気性が高くて軽量の綿100%生地と組み合わせているため、本来であれば1,000g〜1,100gも入れれば冬用として十分なボリューム感を実現することができるはずです。しかし、今回は「毛布などは使用せず、羽毛布団1枚のみで冬を過ごしたい」というお客様の希望を考慮し、保温性をなるべく高めるために1,200g入りということで計算いたしました。

巷には1.3kg入りや1.5kg入りなど「羽毛増量!」とうたっている布団が数多くありますが、羽毛は布団に入れれば入れるほど暖かくなるというものではありません。羽毛を入れすぎると布団のなかでパンパンに詰まってしまい、ふんわりと膨らむことができなくなるからです。

膨らむことができない羽毛には空気が入りこんでくれないので、結果的に布団としての断熱効果が弱まります。もちろん冷たくなることはないでしょうが、期待どおりの暖かさを感じることができず、なんだかぼってりした重たいだけの羽毛布団になってしまうこともあります。

マザーグースダウンの膨らむパワーはとてもとても強いです。なので調子に乗って入れすぎてしまってはいけません。布団のなかで余裕を持って膨らむことができるスペースを保てるように、生地縫製の仕方も工夫いたしました。

今回行ったキルティングはたて6マス、よこ5マス。マチ高は従来よりもかなり高く9cmに設定して、立体的な内部構造にすることでマザーグースダウンの性能を余すことなく活かせられるようにしております。

ふわっと軽くて、ちょうどよい保温性が保たれる。

そんな羽毛布団に仕上げることができました。

ぜひこれから末長くご愛用いただけますと幸いです。

この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます!