こんにちは、店長です!
ホームページからのお問い合わせで、長野県にお住まいのお客様から羽毛布団リフォームのご相談をお受けしました。
お預かりした羽毛布団
お預かりしたのは大塚家具製のダウナ。サイズはダブルサイズです。
ラベルには「20061ー」の数字があり、おそらく2006年ごろに製造されたものでしょう。10年ほど使用されていたのですが、今回はシングルサイズに変えたいというご希望でした。
布団の状態は良好で、ダウナにありがちな羽毛の吹き出しもなし。お客様にダウナの使用感をお伺いすると
「羽毛の吹き出しも感じなかったし、保温性もちょうど良かった。気持ち良いので冬から梅雨前までの長い間使っていた。」
とのこと。ダウナ、やっぱり良いですね。季節を通して長く使えるということは、ジメジメするムレ感が少ないということ。これはダウナに使用されている生地が綿100%だからこそで、ポリエステルでは実現不可能でしょう。ポリエステルは吸湿性が低く、睡眠中に発生する汗の排出や湿度をコントロールすることができないので「なんか変に暑い」と感じがちです。
さらに平織りで通気度が高いのもポイント。空気の循環がスムーズに行われるので羽毛に湿気が溜まらず、ちょうど良い保温性が長く楽しめることにつながっています。
⇒当店でも羽毛布団には綿100%・平織り生地をおすすめしています。
中に入っている羽毛の状態もチェックしていきます。
汗や皮脂による汚れ・黄変は特にありません。粉々に壊れてファイバー化している訳でもなく、状態的にはおおむね良好です。
ダウナに使用されている羽毛はポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%。品質的には上級ランクで保温性・パワーともに上質。これだけのものであれば10年使用でもダウンが壊れることなく、まだまだこれから長く使えるだけの耐久性を持っています。
大きく膨らんでいるダウンがたくさん残っていました。ダウンの中心が色濃くてしっかりした密度に見える、成熟した水鳥から採取された羽毛の特徴ですね。
低級品であればもっと個体が小さくて密度はスカスカのダウンだったりするので、そのようなダウンがたとえ90%や95%入っていたとしても期待値どおりの保温性が得られない場合もあります。
表示ラベルを見ただけでは分からない羽毛の本当の品質とは、こういうトコロなんです。羽毛布団をお客様にご案内するときにはその布団に使用されているダウンの原料をちゃんと見せることが大事だ、と私は思います。
経年劣化で壊れてしまったり羽毛が絡まってしまっている部分もありますが、これはプレミアムダウンウォッシュで洗浄してほぐして乾燥させれば問題なし。十分元のフワフワした状態に戻せるレベルだと判断できました。
リフォームの出来上がり
<リフォーム内容>
- ダブルサイズ⇒シングルサイズへのリフォーム
- プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄)
- 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%(DP440相当)を100グラム補充
- 新品生地:綿100%・100番手 平織り
- キルティング:たて6×よこ5マス立体キルト・マチ8cm
- 最終的な羽毛充てん量:1,05kg仕上げ
リフォーム参考価格:57,000円(税込)
ダウナの寝心地を損なわないように、生地は綿100%・平織り生地をチョイスいたしました。1㎡あたり85gという軽量性はダウナの生地に匹敵します。
さらに国内生産の羽毛布団用生地のなかではトップクラスの通気度を持っているので、羽毛が空気を取り込みやすく湿気の放出・循環をスムーズに行うことができます。
100番手という細い綿糸を使用しているので肌触りがとても柔らかいです。いつまでも触っていたくなるし、柔らかい質感が体へのフィット感を向上させてくれます。
補充羽毛はダウナと同じポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%をお選びいただきました。
今回はダブルサイズからシングルサイズへのリフォームだったので補充する量は100gだけ。経年劣化で壊れた羽毛を取り除いた分を補充する形で、最終的な入れ目は1,050gに調整しました。現在販売されているダウナ・シングルサイズと同じ量に仕立てた形です。
仕上がりはとても良く、ふわ~っと自然に膨らんでくれるようなお布団になってくれました。これならお客様にも満足していただけそうです!
H様、このたびは誠にありがとうございました!
新しくなった羽毛布団をこれからも長く愛用していただければ幸いです。
またなにかお困りごとがあればいつでもお申し付けくださいませ。
それでは、また!