購入12年目のダウナ羽毛布団。生地が破れてボロボロ、もう限界です。

こんにちは、店長です!

今回は東京都にお住まいのお客様から羽毛布団のお直しについてご相談いただきました。

お問い合わせフォームからいただいたご相談内容はこちら↓

生地が10ヶ所くらい破れてしまい羽毛が吹き出ています。12年使用しておりますので打ち直しを考えております。

よろしくお願いいたします。

メールでのやりとりを行いながらお布団をお送りいただくための袋をご用意し、当店にやってきたのは大塚家具のダウナ羽毛布団です。

購入から12年ということですので、とてつもなく長く使用しているというわけではありません。状況によってはまだまだ現役で使用していてもまったくおかしくないのですが「生地が10ヶ所くらい破れて羽毛が吹き出している」ということは早急にメンテナンスする必要があると感じます。

お預かりした羽毛布団の外見。新品当時は真っ白だった生地が少しずつ黄色みがかっているような。使用年数が経過するごとに汚れ、変色がみてとれます。

布団を広げてみると茶色いテープが何ヶ所も貼り付けられていました。お客様が生地破れを自分で補修しようと今までずっと頑張ってきた証拠です。

補修テープはミシン目がある縫製部分に集中していました。針を通している部分なので生地の劣化が進行しやすい部分ではありますね。布団を動かしたり引っ張ったりするうちに生地に圧力がかかり、ビリっと裂けてしまったのだと想像します。

小さな穴や破れであればテープの補修でひとまず対応できるのですが、ここまで破れた場所が多いとなればなかなか難しいです。ホコリを吸い込んでしまうとアレルギー疾患などの健康被害につながる事例もありますので、ぜひ注意してください。

生地が破れて、だんだんと黄色く汚れてしまったダウナ。

しかし、布団としてのボリューム感は割としっかり残っているイメージなんです。触ってみるとふんわりしているし、羽毛の弾力性を手で感じることができます。

中に入っている羽毛がどのような状態なのか、実際に取り出してチェックしてみます。

生地の縫製を少しだけ外して中身を取り出してみました。見た目には白くてふわふわの羽毛です。

ダウナにはポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%という原料が使用されています。他の産地に比べて羽毛の品質を徹底管理するのがポーランドの特徴。3年から4年ほどじっくり時間をかけて成長した親鳥の羽毛はとても暖かくてパワーと弾力性を感じます。

小さなホコリは購入から12年経過したことによる羽毛のダメージです。大きな羽毛も摩擦によって小さくなり、このような塵に姿を変えます。

ホコリが多くなると保温性の低下につながるほか、生地からの吹き出しも多くなってしまうので、今回のお手入れでは羽毛を綺麗に洗浄しながら汚れ・ホコリをしっかり除去していく方法を採用いたしました。

取り出した羽毛を手作業で選別していくと、大きくて良質な羽毛もたくさん見つけることができました。

たんぽぽの綿毛のような形。胸毛部分に相当するダウンです。空気を含みながら大きく膨らむ性質があり、断熱効果を生み出してくれます。

マザーグースダウンは一粒ずつの大きさと密度が高いことが魅力です。若鳥やダックダウンはどうしてもダウンが小さいことがあるので、同じ羽毛量でも保温性を感じにくい場合があります。

生地は破れていても、中身はまだまだ元気でした!リフォームする価値が十分あります!

お客様にこの結果をお伝えすると、とても喜んでいただけました。愛用してきたお布団ですので捨てるにはしのびないというお気持ちがあったということで、これからお手入れしながら綺麗に復元し、新しい羽毛布団へと再生していきます!

リフォーム完成までには少しお日にちをいただきますので、出来上がり次第また改めてご報告いたします。

それでは、また。