大切な思い出とともに。結婚祝いの羽毛布団ダウナをリフォームする

こんにちは、店長です！

考えてみたら、羽毛布団やベッドを購入するタイミングって人生で3回くらいしかないんですよね。

就職や進学のとき、ご結婚のとき、結婚してから20年後に買い替えるとき。大体このタイミングが寝具を購入する王道パターンなのですが、それぞれが人生の節目。楽しい瞬間やいろいろな思い出、おうちのなかの笑い声と寝息とともに寝具は時を過ごしていきます。

今回はそんな人生の節目に購入された羽毛布団のお手入れについてご相談いただきました。

メールでお問い合わせいただいたのは兵庫県にお住まいのお客様。大塚家具・ダウナ羽毛布団のダブルサイズを使用中で、年数が20年を超えてきたのでそろそろお手入れしたい＋シングルサイズに仕立て直ししたいというご希望をいただきました。

こんにちは。
結婚お祝いで母から頂いた羽毛布団なので、大切に使い続けたいと思っております。ぜひリフォームをお願いできればと思っております。

ご結婚の際にお母様から贈られた羽毛布団。大切なお布団をお預かりできることは寝具専門店としてとても光栄に思うことです。これからも長く使い続けられるようにお手入れしていきましょう！

お預かりした羽毛布団の状態はとてもキレイ。20年経過したとは思えないほど生地に汚れもなく、目立った穴や破れもありません。お客様がいままで大切に羽毛布団をお使いだったことがよくわかる、そんな外見でした。

ただ、細かいホコリや羽毛が吹き出しが徐々に強まっています。布団を広げたり動かすとホコリが宙に舞うのが見えてきます。

吹き出しの原因は通気性の高さに加え、経年劣化によって生地が緩みはじめていること。

当店調べでは、大塚家具・ダウナの生地は使用年数10年を超えると通気性が新品と比べて2倍ほどになります。毎日使用するごとに目地が緩みやすくなってくるため、10年から15年ほどダウナをお使いになっているお客様からホコリや羽毛の吹き出しについてご相談いただく件数がだんだん多くなります。

中に入っている羽毛が痛んで小さくなってしまうことも吹き出しの要因になります。羽毛の状態が元気かどうか、ホコリが多くなっていないかどうかをチェックしていきましょう。

生地を開いて取り出した羽毛。ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%という種類の羽毛が使用されているのがダウナの特徴です。

成熟した大人のガチョウ（マザーグース）から採取された羽毛は大きく膨らむパワーが強く、触っても千切れない弾力性が魅力なのですが、20年経過した今の状態は果たしてどうなっているのでしょうか。

手作業で大きな羽毛と小さな羽毛を選別していきます。

細かい糸屑やホコリが見えます。こちらは劣化によって小さくなってしまった羽毛です。

毎日使うごとに布団のなかで擦れ合い、潰れながら移動するをくりかえすごとに羽毛は小さく摩耗していきます。その結果、ホコリのようなファイバーに姿を変え、生地から吹き出してくることが多くなってしまいます。空気を含むボリューム感も当然減ってしまうので、保温性も下がりがち。経年劣化のダメージは少なからず進行しているようです。