こんにちは、店長です!
今回は奈良県にお住まいのお客様から羽毛布団のお手入れについてご相談をいただきました。
当店HPのお問い合わせフォームからご連絡をいただいたのですが、30年ほど使用しているセミダブルサイズの羽毛布団が2枚あり、それをリフォームするべきか・それとも新品に買い替えた方が良いのか迷っているというご相談内容でした。
使い続けて30年が経過した羽毛布団。おそらく生地には汚れやシミがところどころに付着していたり、羽毛の膨らみも新品のころから比べると幾分かはヘタってしぼんでいるかもしれません。場合によっては羽毛の吹き出しが少しずつ発生していることもあります。
ただ、羽毛布団は耐久性が高く、長期間ご使用いただくことが前提のアイテムなので、生地が破れたりしない限り物理的には使い続けることができます。10年、15年は当たり前。今回のお客様同様にご結婚のときやお引っ越しのタイミングで購入したものを30年間ずっと使用しているという方はとても多いですね。
さらに、羽毛布団の品質によって着心地は明らかに変化するため、数年前に羽毛布団を新品で購入したけれど今までずっと使ってきた布団の方があったかくて着心地が良い、なんていう経験をされたというお声もよく聞きます。
この経験をしてしまうと新品購入よりも愛着のある布団をリフォームしてこれからも長く使い続けた方が良いのでは?と感じるため、羽毛布団をどうすれば良いかますます迷ってしまうこともなります。
今回のお客様、Y様にも現在の状況や羽毛布団の状態、どなたが使用する羽毛布団なのかを詳しくお伺いしながら、どうすれば気持ちよく眠れる羽毛布団にたどりつくことができるのかを一緒に考えていきました。
30年間使用した羽毛布団は年数を重ねるごとに羽毛のヘタリが目につくようになり、保温性がどうしても低くなっていると感じているご様子でした。Y様自身、体質的に寒がりなので、新品当時の暖かさ・羽毛のパワーをしっかり感じることができることが優先順位として挙がります。
これからも10年、15年と長く使える羽毛布団がやっぱり欲しいという希望が強くあったため、今回は新品での購入という結論に達しました。
<作製した羽毛布団>
- 羽毛掛け布団 セミダブルサイズ
サイズ:170×210cm
羽毛量:1.2kg
用途:主に冬。通気性の高い生地を使用し、軽やかな着心地を実現しているため、 春や秋などのシーズンにも合わせることができます。
生地:綿100%80番手超長綿 平織りバティスト
生地の重さ:約821g(1㎡あたり94g)
通気度:2.1cc
打ち込み本数:320本
羽毛:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン
ダウン率:ダウン95%・フェザー5%
ダウンパワー:440
Y様のために作製した羽毛布団がこちら。ふっくらとした羽毛の膨らみ、軽やかな着心地、体にすとんを落ち着くようなフィット感を実現することができる仕上がりです。
羽毛はポーランドで3年から4年じっくり生育した親鳥グースの羽毛。ダウン95%/フェザー5%で硬い羽根の芯が極力入り込まないように配慮された原料です。空気を含みながら膨らむパワーがかなり強いので、少ない羽毛量でも抜群の保温性を発揮することができます。
側生地には綿100%平織りという生地を採用いたしました。通気性を向上させながら羽毛の吹き出しを抑える加工(薬品加工はゼロ)も行っているため、ハウスダストが気になるY様にもぴったりの性能です。
平織りはサテン織りよりも重量が軽いため、今までよりももっと軽い着心地を実現しながら羽毛の膨らみを最大限引き出してくれます。
完成した羽毛布団をお届けしてから数日後、寝心地についての感想をいただきました。
明けましておめでとうございます。昨年は良い品をありがとうございます。
何十年ぶりかで、羽毛布団1枚で寝ています。
普段は下に吸湿発熱素材のシーツを引いていましたし、羽毛布団の
上に毛布を掛けていましたが、この羽毛布団だと普通のシーツで 寝れますし、毛布も必要ありません。開封した時より日に日に膨らんで来てる気がします。羽毛の力強さが伝わる逸品ですね。 暖かいだけじゃない、今時の吸湿発熱素材には無い、自然本来の優
しい暖かさと、気持ちよさが、この羽毛布団にはあります。本当に新品にして良かったです。ありがとうございます。
羽毛布団の優しい保温性がY様にぴったりフィットしてくれたようで、本当に嬉しく思います。羽毛布団1枚で眠ることができるようになると、毛布や重たいカバーを使う必要がなくなるため、体への負担(どっしりとした重さ)を軽減することができます。
もちろん、重量のあるしっかりした布団を使用することで寝心地の安定感につながり、睡眠中の安心感が増すということもありますが、あまりにも重たい布団を掛けると寝返りがしにくくなってしまったり、腰や背中への負担が増えてしまうこともありますので、自分に合った着心地を選ぶことはとても大切です。
Y様は吸湿発熱素材の毛布なども併用されていたということですが、レーヨンやアクリル・ポリエステルなどの合繊素材が多くなると湿度コントロールが難しくなる可能性があるため、空気を循環させて快適な睡眠環境をつくりあげる羽毛布団で眠るスタイルとの相性がよかったのだと思います。
これからも長くご愛用いただきながら、気持ちよくぐっすりおやすみいただければ嬉しいです!
Y様、この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございました。今後も寝具のメンテナンスなどお受けすることができますので、気になることがあればお気軽にお申し付けくださいませ。
今後とも何卒よろしくお願いいたします!