何年使ったらリフォームする?ダウナ羽毛布団をお手入れするのに最適なタイミング

こんにちは、店長です!

今年も日本全国から羽毛布団リフォームのお問い合わせをいただいております。皆さま本当にありがとうございます!

特にGW明けからお問い合わせ件数が一気に増えているのですが、そのなかでも相談件数NO.1は大塚家具ダウナ羽毛布団のお手入れについて。羽毛の吹き出しや生地破れ、羽毛の片寄りなど、お一人ずつのお悩みをお伺いしながらリフォームプランをご提案しています。

今回は東京都のお客様からお預かりしたダウナ羽毛布団をリフォームした事例をご紹介いたします。

最初はメールでお問い合わせをいただいたあと、もっと詳しい説明を聞きたいということでお電話でもじっくりお話をお伺いした今回のお客様。

シングルサイズのダウナを10年ほど使用していて、そろそろお手入れした方が良いのかなと感じたことがきっかけで当店にご連絡をいただきました。

タグを見ると2008年製造ということがわかりました。購入からは14年ほど経過しているということですね。

特に羽毛の吹き出しや生地の破れについては目立ったところはないということで、羽毛の膨らみとボリューム感も今のところしっかり維持されているようです。

羽毛のヘタリが進んでくるとこのようなふっくらとした見た目とは異なり、ぺちゃんこになったり湿気を含んで重たく感じたり布団としてのパワーが劣化している形になります。

特に羽毛が移動して真ん中あたりがスカスカになってくる「片寄り」がだんだん進行すると、襟元のあたりには羽毛が無くなって生地だけになってしまうこともあるため、快適な着心地と心地よい暖かさを感じることができません。

当店で羽毛布団リフォームのご相談をいただく布団の使用年数は20年以上経過したものを取り扱うことがもっとも多いです。生地が破れない限り布団はそのまま使用することができることもありますが、ご結婚やお引越しなどの際に揃えた寝具というのは品質的に上位ランクのものを用意されるケースが多いので、普及品と比べると耐久年数がグッと長くなり、気づけば20年経過していたなんてことはザラにあります。

どのくらい布団を使ったらリフォームするべき?」という質問に対して最適な目安を考えるならば、ご使用歴10年〜15年ほどの間にリフォームするのが一番良いと感じます。このくらいの使用年数であればたとえ生地が破れてしまっても中に入っている羽毛はまだまだ綺麗に残っている期待が大きく持てるからです。

もちろん、ダウナしかりマザーグースダウンなどの高品質な羽毛原料が使用された羽毛布団であれば20年・30年経過してもリフォームする価値が十分に判断できる事例は数多くあります。お使いになる方の体質、住宅環境によっても布団の状態はとても大きく変動しますので、やはり1枚ずつ状態をチェックしてその結果を見ながらお手入れ方法を考えるべきですね。

20年〜30年ほど使用した羽毛布団をお持ちの方からは「リフォームすべきか買い替えの方が良いのか?」というご相談もかなり多いのですが、羽毛は資源ですので再利用できるならば絶対にした方が良いというのが当店での考え方です。

リフォームする方が金額がかさんだり、数年でぺちゃんこになってしまうと判断した場合にはお客様にも率直に現実をご説明しておりますので、今持っている布団の状態を知りたい!というお客様もぜひお気軽にご相談いただければと思います。

さて、今回のお客様事例に戻ります。

外見からは綺麗な状態に見えるこちらのダウナ羽毛布団ですが、中に入っている羽毛がどのようになっているか実際にチェックしていきます。

布団から取り出した羽毛がこちら。白くてふわふわ。ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%という原料が使用されているダウナですが、手で羽毛を触るともっちりとした弾力性を感じることができるので、状態はやはり良さそうです。

手作業で羽毛を選別してみました。たんぽぽの綿毛のような形をしている、これがダウンという暖かさのもとになる羽毛です。逆にフェザーという羽根の硬い芯はこんなに空気を含んでふっくらと広がることはできません。どちらかという硬くてしっかりした質感になるため、枕の中身としてフェザーは活用されることが多いですね。

一粒手で持ち上げるとこんな感じ。

中央の白い部分「核」も密度が高く、そこから生えている毛も長い。パーマを当てたようなうねりもあります。羽毛にうねりがあるとバネのような弾力性とともに空気をたくさん含む空間づくりがしっかりと構築されるので、布団としての暖かさと快適さを体全体で感じることができます。

今回お預かりしたダウナは再利用する価値が十分にあると判断することができました!

リフォームが完成!

<リフォーム結果>

シングルサイズ➡️シングルサイズへのリフォーム

  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を250g補充
  • 新品生地:綿100%・100番手平織り(1㎡あたりの重さ:85g 通気度高い)
  • シングルサイズ(150×210cm)にお仕立て
  • 羽毛量:1.05g
  • 羽毛の片寄りを防ぐ完全立体キルト

出来上がり参考価格:78,000円(消費税・往復送料込み)

リフォームが完成した羽毛布団がこちら。ふんわりとした着心地を再現するとともに、ダウナの良さもしっかり取り入れることができるように仕立て替えを行いました。

お預かりした布団から取り出した羽毛はまず丁寧に洗浄して汚れ、小さな羽毛、ホコリを取り除いています。

そこに新品羽毛「ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%」を250g補充し、状態の回復と羽毛量の確保を行いました。

新調する生地にはダウナと同じ軽量かつ高い通気性を実現する平織りを採用。日本で市販される多くの羽毛布団よりも圧倒的に軽くて体にぴったりとフィットする感覚を得られます。

通気性が高いことによって羽毛の吹き出しが発生する可能性がありますが、今回お預かりしたダウナに入っている羽毛がかなり大きくてゴミも少なかったので、羽毛がわんさか吹き出してくるリスクは低いと判断。お客様との打ち合わせのもと、す〜っと空気が循環して爽やかな着心地を実現できるメリットを優先させる形になりました。

※ハウスダストやホコリアレルギーにお悩みの方には通気性の高い生地にて羽毛布団を作製する方法はおすすめいたしません。生地の候補は他にも多数ありますので、ご希望に合わせてご紹介いたします。

これまでと同様、そしてこれまで以上に気持ちよく。

新しくなった羽毛布団でぜひぐっすりおやすみいただければと思います。

このたびは当店をご利用いただきまして誠にありがとうございました!

お気づきの点などありましたらぜひお気軽にお申しつけくださいませ。

それでは、また!