
こんにちは、店長です!
当店では羽毛布団のオーダーメイド、リフォーム、丸洗いなどのメンテナンスを季節問わずいつでも承っているのですが、ここ最近「薄めの羽毛布団をつくりたい」というご相談が続いたので、このブログでもご紹介させていただきます。
ひとつめは東京都にお住まいのS様。HPのお問い合わせフォームからメッセージをいただきました。
羽毛布団のオーダーメイドを検討しています。
が、色々迷子で。。
寝室の環境は東京の一軒家2階で、冷暖房も使うので、
室温は真夏23度、冬19度に保っています。 2枚合わせで使うつもりはなく、
先日は冬用に少しあったかめの合掛けを買いました。ただ今回買ったやつはダウンパワーが470キルトマスが5× 6のマチが5cmなのですが、まだ新品だからなのか、 以前使っていたものよりキルトマスが多いからか、 パンパンな気がしてフィット感に欠けるのがちょっと残念に思って います。 今回は初夏〜
10月くらいまで使えるシングルの肌掛けが欲しくて、予算は6万円です。色々調べていると側生地やキルトマス、 充填量などどれがいいかわかりません。ただ、側生地はサテンが希望です。 よろしくお願いします。

現在のお住まいにぴったりの保温性やかけ心地を求めて奔走されている様子のS様。ご遠方からわざわざお声がけくださったこと、当店にご相談いただいたご縁を大切にしながら、S様のご希望を叶えるべく羽毛布団の選び方について考えていきました。
そうして私が考えたS様への回答はこちらです。
東京都にお住まい、かつ一軒家ということで気密性・
断熱性はしっかり担保されている住宅環境だとお見受けいたします 。 夏でも23度、
冬でも19度に室温を維持されるということですので、 羽毛量をたくさん詰め込んでポンポコリンになる掛け布団は暑すぎ る・重たくなるためS様のご希望ともミスマッチを生んでしまいます。 先日ご購入されたという合い掛け布団の中身はダウンパワー470
ということでマザーグースダウンクラスの成熟した品質だと想定し ます。かなり膨らむ力の強い羽毛です。マチ高5cmではパンパンに張ってしまうため体へのフィット感が 足りない、沿いが悪いように感じると思われます。 もしこの羽毛原料を使用してお布団を製作するとすれば、5×
6マスキルトはそのままで良いのですがマチ高を8cm以上にすると考えます。そうすると掛け布団の表面が馴染みやすくなり、風船のようにパンパンに張る・凸凹してしまうという失敗を避けることができるはずです。 立体的に羽毛布団の内部構造をつくることで羽毛が膨らむ余白も出
来上がります。 そうするともっとふわっとして軽やかな着心地を実現することがで きるとともに、 湿気が逃げやすくさらっとした印象の着心地になってくれます。 今回のS様のご希望としては、初夏から10月ごろに使用する肌掛け布団を探しているということ
ですので、当店の考えをまとめて記載いたします。 ・羽毛量は350g~400gに設定
・ホワイトグースダウン93%/フェザー7%原料を選ぶ
・側生地は綿100%。サテン織りなら100番手、平織りなら110番手
・キルティングは6×7マス。
・羽毛量350g入りにするならマチ高は無し。400g入りにするならマチ高は2.5cmに設定
上記のポイントを押さえながら肌掛け布団をおすすめするとS様にも気に入っていただけるのではと考えております。まずは羽毛原料・
ダックダウンやグースダウンなど数多くの候補がありますが、 品質において安定しているポーランド産ホワイトグースダウン93 %/フェザー7%をご紹介します。 日本でいうコシヒカリやササニシキのように羽毛の品種・
品質を徹底的に管理するのがポーランドの醍醐味です。 ホワイトコウダ種という水鳥(ガチョウ) から採取された羽毛を使用します。 羽毛量は350~400gに設定しようと思います。
真夏しか使用しないということであれば300gにするのですが. 10月ごろまで長く使用することを踏まえて350g入りを目安に しています。少しでも量が多い方がつぶれにくく布団としての耐久性が増す、 ということにもつながります。 キルティングはたて7マス、よこ6マスをおすすめいたします。
マス目が細かくなると羽毛の片寄りや移動を防ぐことができるので すが、 あまりにも細かいとダウンジャケットのように体にまとわりつくよ うになり余計な保温性を感じてしまいます。 そして側生地は綿100%を使用します。
汗や湿気をしっかり吸収・逃すという役目を担ってほしいので、 生地にはポリエステル等の化学繊維は使用しないというのが当店の 考えです。 ご希望であるサテン織りは100番手という超長綿・極細糸を使用します。
しなやかな風合いと肌に優しくフィットする感覚がとても気持ちよ いです。 また、
当店では平織りという製法のものをご提案することも多いです。
サテン織りに比べて軽く、通気性が良くなるというメリットがあるので、 夏のジメジメとした不快感を逃したいという目的にはとても相性が 良いです。 ただ、
通気性が良いため羽毛や小さなホコリが出てきやすい可能性がある ため、アレルギー体質の方には注意が必要です。
平織りの場合にはカサカサした質感になることがあるため、サテン織りよりも細い糸で織り上げながらしなやかな質感を実現し ています。
かなりの長文になってしまったのでS様には大変恐縮ではあったのですが、オーダーメイドで製作する羽毛布団のメリットやどのような素材・仕立て方がS様にぴったり合うかを考えながらプランニングしていきました。

その後もやりとりを重ねながらS様のご意向をお伺いして、一枚の羽毛布団が完成✨
- サイズ:シングルサイズ(150×200cm)
- 羽毛:ポーランド産ホワイトグースダウン93%/フェザー7%
- 羽毛量:350g入り
- 側生地:綿100%平織り
- キルティング:たて7マス・よこ6マス
- 参考価格:66,000円(税込)
ご予算のことも考えつつ素材を選び、完成した羽毛布団の着心地想像しながら製作いたしました。
サイズはシングルサイズなのですがS様のご希望で丈を規定より10cm短く。さらっと羽織れる軽量感を引き出す、そういうこともオーダーメイドならではのところです。
側生地は通気性や軽さを考慮して平織りが採用されました。湿気を逃し空気の循環がスムーズになることでよりよい睡眠環境を実現することができます。

暖かく過ごすこと、保温性を重視することは羽毛布団を選ぶときにとても大切なポイントです。ですが気密性の高い住宅や年中通して室温が一定に保たれるような環境では既製品の羽毛布団ではなかなかマッチしないことも多くなります。
側生地、羽毛の品質、羽毛量、キルティング。すべてのバランスが合わさることで、自分にぴったりの着心地が生まれます。
S様に仕上がり具合をご報告すると、
ありがとうございます!良さそうな感じ、写真からも伝わってきます!
というお言葉を頂戴することができました。
ぜひ快適な着心地を実現することができれば嬉しいです。また後日、使用感をお伺いさせていただきます!
ふたつめはダブルサイズの羽毛肌掛け布団。

ふたつめはこちら。以前、羽毛布団のご相談をいただいたI様です。仕上がり具合が良かったからということでリピートのご注文をいただきました。嬉しすぎる!お仕立てした羽毛布団を気持ちよくお使いいただくことができて本当に良かったです✨

前回は冬用に使用する、保温性と着心地の良さを両立させることがテーマだったのですが、今回は夏時期に使用するための肌掛け布団についてご相談いただきました。

- サイズ:ダブルサイズ(190×210cm)
- 羽毛:ポーランド産ホワイトグースダウン93%/フェザー7%
- 羽毛量:350g入り
- 側生地:綿100%平織り
- キルティング:たて8マス・よこ7マス
- 参考価格:77,000円(税込)
ご夫婦おふたりで使用するため、暑がりのご主人様にも使いやすく快適さを感じていただくために平織り生地を使用いたしました。ダブルサイズでも900gほどの重量なので、一般的な羽毛布団よりもかなり軽く感じます。

キルティングは細かくして羽毛の移動・片寄りが出にくくなるようにしました。どうしてもダブルサイズをふたりで使用すると引っ張り合いっこになることがありますよね。真ん中部分が薄くなったり、部分的にヘタってきたりすることもあるので、できる限り良い状態が長く続くようにとお仕立ていたしました。
こちらもまた夏時期になったら着心地の感想をお伺いしてみようと思います。
S様、I様、いつも当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます✨
これからも皆さまの快適な睡眠をサポートできればと思いますので、何卒よろしくお願いいたします!


