＜今回お仕立てした羽毛布団・オーダーメイド＞
- サイズ：セミダブルサイズ（170×210cm）
- 羽毛：吉林省ホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%（手選別）
- 羽毛量：1.1kg入り
- 側生地：綿100%100番手平織り（1㎡あたり85g、高い通気性）
- キルティング：変則5×6マス、羽毛の片寄りを防ぐ完全立体キルト
出来上がり参考価格：145,000円（消費税・送料込み）
こんにちは、店長です！
日が落ちるスピードも早くなってきて、朝晩の肌寒さを感じる今日このごろ。いよいよ羽毛布団が活躍する季節の到来です。
あったかくて、軽やかに体を包み込んでくれる着心地が羽毛布団の醍醐味。心地よいぬくもりに包まれながらいつまでも寝ていたい、そんな夢のような着心地を求めていざ羽毛布団を購入しよう！という皆さまに立ちはだかるのが「羽毛布団の選び方難しすぎ問題」です。
オンラインショップで検索してみると羽毛布団の種類に圧倒され、お店に入って実際に布団を触って比べてみてもイマイチピンとこない…。半ば諦めのようなご相談が当店にも寄せられます。その度に、もっとわかりやすく羽毛布団を紹介できる方法はないものかと模索するのですが、お客様にぴったりの羽毛布団をご提案することの難しさは寝具業界にとって永遠のテーマだと思います。
今回ご相談いただいた東京都にお住まいのお客様は、羽毛布団をどう選べばよいのかわからなくなってしまったときに当店のブログを見つけたことがきっかけでお問い合わせいただきました。
羽毛布団の購入を検討しています。色々検索をしていて御社のホー
ムページを拝見しました。 2019年の「絶対に失敗しない羽毛布団の選び方は存在しない」
という記事を読みました。当たり前のことを売り文句にする必要は ない、という言葉に目から鱗が落ちるような気持ちでした。 羽毛布団について調べるうちに色々な情報を見て、軽いバティスト生地、マザーグース、軽いけど
暑すぎない、という使用感が希望です。 都内在住、マンション、1K9畳やや北向きの部屋、ベランダの窓
側にベッド設置、寒がりではないですが冷え性もあります。できれ ば羽毛布団1枚で就寝したいです。 安い買い物ではないので、後悔しないような羽毛布団を選択したい
と思っていますが、適量の羽毛量のアドバイスをいただきたいです。 セミダブルで予算は13万ほどが希望です。伝わりにくい内容で申し訳ございません。よろしくお願いします。
見つけていただいたブログはこちら→https://kaimin-miura.com/umouhuton/detail/7843/
上記のブログでは「謳い文句にだけ注目していても羽毛布団選びは上手くならない！」的なことを書いているのですが、今回のお客様からはお住まいのスタイル、坪数、方角などの詳しい情報を聞き取ることができましたので、遠方ではありますがかなり具体的な羽毛布団提案を行うことができました。
メールでもお電話でもLINEでも、お客様のご希望をまずしっかりとお伺いして情報を整理していく。お店でいつも行っている方法となんら変わりはありません。
羽毛の品種や側生地の種類、キルティングの手法など。数ある候補のなかからお客様が求めている着心地を実現するにはどの素材をピックアップすれば良いのかをしっかりと考え、それぞれを組み合わせていきます。
今回のオーダーメイドでは「北向きの部屋でもさらっと快適に！年中通して使える羽毛布団をつくる」というのが大きなテーマになりました。
北向きのお部屋は一般的には日射時間が少ないために湿気対策が重要になります。羽毛布団は毎日使うことで汗を含んできますので、湿気がどうしてもこもりやすいのです。そのため、側生地にはポリステエルやサテン織りなどの通気性が低い生地を使うのはなく、 綿100%平織り（バティスト）生地で通気性を高く維持することができるものを採用いたしました。
布団のなかに入れる羽毛量は1.1kg入りに設定。冬はもちろん、春や秋にも使用することができるような軽やか羽毛布団を目指してみました。
セミダブルサイズでは1.4kgほど羽毛を入れて作製するのが日本の主流ですが、冬メインでの使用を考えているグラム数なのでお客様が希望する年中使用にはマッチングしません。さらに都内の気密性の高いマンションでは暑くて使いにくいという現象が起こりうるため、羽毛のグラム数の見極めはかなり重要です。
羽毛原料は中国吉林省産のホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%（手選別）を採用いたしました。ポーランド産と迷いましたが、同じスペック・同じダウンパワーを実現できる点とコスト面での調整を考慮しての使用です。
ふっくらとした羽毛の膨らみは手作業で選別されたマザーグースダウンだからこそできること。品質をしっかり見極めることができるのであれば産地をあえて限定する必要はない私は考えています。
逆にいえば、品質への信頼性がややはっきりしない場合やその布団が自分とマッチングするかいまいち自信がない場合に、羽毛の原産国という情報（その情報が正しいという前提です）が背中を押してくれる、効果を発揮してくれるだと思います。
羽毛布団本体を併せて、カバーリングもご希望いただきましたのでオススメをご紹介いたしました。
軽い羽毛布団を作製しましたので、カバーリングも軽いものを。綿100%のガーゼ生地で仕立てた薄いタイプです。
※セミダブルサイズで税込8,800円
一般的な羽毛布団用カバーの半分ほどの重さしかないので、布団と一体化するような掛け心地を実現してくれます。
手作業でじっくり精錬したガーゼ生地はとてもなめらか。ガサガサするような質感は一切ありません。通気性も高く、体温をすばやく羽毛布団に浸透させることができます。
お洗濯後の乾きが早いのも嬉しいところです。
完成した羽毛布団とカバーリングをお届けしてから数日後、お客様からメールをいただきました。
お世話になっております。土曜日に受け取りして早速使用を開始しました。
気温はまだそこまで低くはないですが、軽い、暖かい、ふわふわで気持ちいい、という感想しか出てきません！
すごいですね、品質のいい羽毛布団はこんなにも快適なんですね。生地はまだシャカシャカしている感じはありますが、カバーが柔らかいので特に気にならないです。カバーを使う、時々天日干しする、を守って長く使用できるように大切にします。
クリーニングは5年後くらいでいいのでしょうか？時期が来たらクリーニングも御社に依頼したいと思います。
インターネット上にはたくさんの情報があふれていますが、御社に出会えて、素晴らしい羽毛布団を作製していただき本当に良かったです。
お手入れなどでまたご質問させていただくことがあると思いますが、今後ともよろしくお願いします。
羽毛布団の出来栄えにひとまずご満足いただくことができて、ほっと一安心です。これから寒くなってきてからが本番！羽毛布団の保温性に包まれながら、気持ちよくおやすみいただければと思います。
今後のクリーニングについては使用3年〜5年ほどに1回、丸洗いをご案内いたします。それまでは月に1,2回の日干し・陰干しで湿気を逃しながら、カバーをこまめに取り替えていただくことで布団に汚れがつきにくくなるのでオススメです！
羽毛布団の選び方はとても複雑で、多くの情報が錯綜する濁流のなかでもがきながら判断していかなくてはいけません。「どの羽毛布団を選べばよいかわからない」というご相談を毎日のようにお受けすることは、多くのお客様が羽毛布団選びに困っている証拠。寝具業界としてはあまりよろしくないことだと痛感しています。
少しでも寝具選びが楽しいものになるように、そして毎日の眠りが素敵なものになるように。
これからも寝具専門店としてがんばっていこー！と思います。
I様、この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございました！
