【寝具店店長が考えた】布団に潜むダニを減らす対策・方法まとめ

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こんにちは、店長です!

梅雨~夏の時期になると心配になってくるのが、家の中や布団に潜むダニの存在。

お客様からもダニに関する質問やどうやって対処すればアレルギーの心配がなくなるのかなどのご相談を多く受けます。レイコップに代表される布団専用の掃除機クリーナーを活用している方の数がここ数年で大きく増えているのも、ダニに対しての関心が高くなっている証拠ですね。

ということで、今回はダニの生態や種類、布団に潜むダニをどうすれば減らすことができるのかを考えていきます!

<目次>

・家の中に生息するダニの種類

・ダニは家の中のドコに多く住んでいるの?

・ダニを殺すことは可能なのか?

・ダニを殺すよりも大事なこと

・布団からダニを減らすための方法

・布団って丸洗いしたりコインランドリーに持ち込んでも良いの?

・まとめ

家の中に生息するダニの種類

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ダニの種類は家の中や公園、森林や山、土壌や水中に生息するものまで多種多様。このうち家屋内に生息しているダニの種類は約150種類が確認され、そのなかでもヒョウヒダニ類・コナダニ類・ツメダニ類という3つの種類が数として大半を占めています。

「屋内塵性ダニ類」とよばれるのは、ヒョウヒダニ(チリダニ)類・コナダニ類・ツメダニ類。その中で、ヒョウヒダニ類のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニで、7~9割を占めます。

⇒ダニを知る【アース害虫駆除なんでも辞典】アース製薬

布団に住むダニで代表的なのはヒョウヒダニという種類。家のホコリや布団から採取されるダニとして、他の種類のダニよりもヒョウヒダニ類が圧倒的に多く生息しています。

ヒョウヒダニの特徴は、

  • 一年中家の中で見られるが、梅雨から秋にかけて活性化する。
  • 温度25℃以上・湿度60~80%の環境を好む。
  • 卵から成虫になるまで約40日。成虫の寿命は約70日間。
  • メスは一生のうちに卵を50~100個産む。(一日あたり1,2個)
  • 一生のうちに糞を400~500個出す。

となり、湿度が高い季節を好み、梅雨時期から繁殖のペースが上がっていきます。また、毎日出される糞やダニの死がいがアレルギーの原因になるから困ったもの。糞・死がいは成虫よりも小さいので宙に舞いやすく、口から吸引してしまうことで気管支喘息やアレルギー性鼻炎の抗原となる可能性があります。

人間を刺したり吸血するダニはいるの?

ツメダニやマダニといった種類のダニは人間を刺したり吸血することがあります。

ツメダニは家屋内に生息するダニで布団からも検出されることがありますが、ヒョウヒダニに比べるとその量は微々たるもの。敷き布団18枚を使った実験では、検出されたダニ総数の0.8%しかツメダニが存在しませんでした。

もっとも、ツメダニはヒョウヒダニを餌にするので、ヒョウヒダニを退治して数を少なくすることが結果的にツメダニ対策となります。

マダニは森や草地などの外に生息するダニなので、布団から生じるダニではありません。マダニに噛まれると感染症を引き起こす可能性があるので、草木の多い場所に出入りする際には十分注意してください。

ダニは家の中のドコに多く住んでいるの?

基本的にダニは家のどんなところにも生息しています。そのなかでも

  1. ダニの餌になるものが豊富にある。
  2. 湿気がこもりやすい。
  3. 溝や毛の間など、ダニが身を隠したり卵を産み付けやすい場所がある。

という条件が揃った場所を好みます。畳やカーペット・じゅうたん、家具、押入れ、窓やサッシの溝・・・。布団もダニが生息しやすい条件にがっつり当てはまりますね。

小麦粉やお好み焼き粉、砂糖を食べるダニもいます(コナダニ類)。長期保存している食品の中で繁殖することがあり、ダニが繁殖してしまった小麦粉を食べて急性アレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こした事例も。

ダニが一番多く生息しているのって本当に布団なの?

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ダニが布団やカーペットにどのくらい生息しているのかを示すデータによると、表面に存在している数は布団よりもカーペットの方が多くなります。その数は敷き布団が平均で633匹・カーペットでは実に22,513匹も検出されていました。

しかし、内部に潜む数を比べると立場が逆転。敷き布団からは表面の約342倍にあたる216,750匹が平均で検出されています。21万匹って数が大きすぎてもはやイメージできませんね・・・。

ダニは布団の表面だけでなく内部にまで入り込んでいます。ダニを減らす対策を行うときには内部に潜む成虫・糞・死がいをどれだけ減らすことができるのかが重要。表面を綺麗にしているだけのダニ対策では不十分です。

また、布団の種類・素材の違いでもダニの生育量が変わります。

ダニが住み着きやすい布団の種類第1位は敷き布団。特に綿わたを使っている布団にダニが多く生息します。

同じ敷き布団でもポリエステルや羊毛を中わたに使用している布団では、ダニの生息量が減少します。ポリエステル素材は水分を含むことがほとんどないので、ダニが好む湿度環境になりにくいと予想されます。

また、羊毛は「天然のエアコン」と呼ばれるほど吸湿発散力が高いので、ジメジメ湿気を大気中に逃がしながらダニが生息しにくい環境を作ってくれます。

羊毛といえばいかにもダニが住み着きそうなイメージですが、湿気調整機能が高く、寝床環境を良くしてくれるアイテムなんですよね。当店でもベッドパッドや肌ふとんなどは羊毛を使用した寝具をオススメしています。

ダニを殺すことは可能なのか?

ダニの生命力はすさまじい。

氷点下になっても死滅することはなく、水や家庭用洗剤への抵抗力も強いです。

もしダニを短時間で死滅させたいときには

  • 55℃~60℃のお湯で布団を洗濯する。
  • 50℃以上の高温で布団を40分以上乾燥させる。
  • -25℃の場所では一瞬で死滅する。

などの方法がありますが、家庭でこの状況をつくるのは至難の業です。コインランドリーの乾燥機を使えば70℃以上の高温乾燥を行うことができますが、布団の生地や中わたの痛み・品質劣化の恐れがあるので店長は推奨しません。(理由は後述します)

仮に布団に住むダニを一匹残らず死滅できたとしても、家の中にはまだまだダニが住んでいるし、布団が湿気を含んでしまえばまたダニがどんどん繁殖していきます。完全にいたちごっこ。一般家庭では生きているダニを0にすることは不可能だと考えるべきです。

ダニを殺すよりも大事なこと

布団にダニが住み着くことでの一番の脅威は「ダニ由来のアレルギー」の危険性が高まること。そのアレルギーの原因(ダニアレルゲン)になりやすいのは、生きているダニよりも糞や死がいの方です。

ダニ虫体は約0.3mmとサイズが大きく気道には到達しないが、糞や死骸が粉塵化したものは下気道まで到達するサイズになり喘息の原因となる。

第156回医学界総会演題抄録|4.アレルギー性疾患の誘引とその対策

ダニを殺すことよりも糞・死がいを除去することの方が大事で、アレルギー対策の第一歩になります。

そのうえでダニが生息しにくい環境をつくりながら繁殖を抑えて、ダニの絶対数を少なくすることを考えましょう。

ダニの寿命は約70日。3か月たてば勝手に死んでいくし、繁殖のピークを迎える7月を過ぎれば季節の変化によってダニは自然に減っていきます。

「家の中からダニを0にするんだ!」と必死になるよりも、ダニを上手く付き合う方法をゆっくり考える方が気分的にも楽です。

布団からダニを減らすための方法

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布団にダニを生息させない・繁殖させないようにするには

  • 湿度を下げる。理想は55%以下。
  • ダニの餌になるフケや皮脂、ホコリを溜めない。
  • 糞や死がいを除去して、アレルギーのリスクを減らす。

この3つのポイントを押さえた方法をとるべきです。

窓を開けて部屋の換気を行う。

部屋の湿度が高いと、必然的に布団にも湿気がこもりがちになります。一般的には閉め切った部屋の中よりも外気の方が湿度が低いので、窓を開けて換気を行うことで外気と同じ湿度に下げることが可能です。

しかし。

梅雨から夏の時期は外気の湿度がそもそも高め。2016年の愛媛県松山市では、平均湿度が60%以下だった日が6月~8月の期間でわずか6日間しかありませんでした。これではいくら窓を開けて換気しても湿度を50%前後にコントロールするのは不可能です。エアコンや除湿機を使って湿度を下げる必要があります。

もっとも、湿度は部屋のすみっこや下にいくにつれて髙くなるので、部屋の湿度と布団内の湿度が必ずしもリンクしません。特に寝ているときの汗や水分がたまりやすい布団においては、布団内の湿気をきちんと取る対策をしないとダニへの効果は薄いでしょう。

布団を日に干して乾燥させる。

布団内の湿気を取るには日に干して乾燥させる方法があります。布団のお手入れ方法のなかでも一番基本的なやり方ですね。

残念ながらダニを死滅させることはできませんが、日干しすることで布団内部にたまった湿気を発散させることができます。

干すタイミングは朝10時~お昼3時過ぎあたりの時間帯。太陽が一番高いところに昇る頃合いを狙いましょう。

羽毛布団なら2、3週間に一度、時間にして1~2時間。敷き布団なら1、2週間に一度、4~5時間程度を目安に日に干してください。できれば表裏ひっくり返して両面を日に干してあげるのがベスト。

布団を直射日光に当てても良いかどうかについて。布団の生地にはセーターや洋服と同じ強度の耐光性(日に当たったときの色落ち度合)が検査されているので、布団を直接日光に当てて干しても問題ないと考えます。もし、生地の日焼け・変色、花粉やPM2.5が気になる場合は、カバーを付けたまま干すことをオススメします。

カバー・シーツをこまめに取り替える。

ダニの餌になるフケや皮脂、ホコリを溜めないためには、カバー・シーツをこまめに取り替えることが大切です。洗濯すれば汚れも落ちるし、シーツに付いたダニはほぼ確実に除去することが可能です。

取り替えるタイミングは週に1回が理想的。病院や施設でも週に1回が基本ですね。

布団カバーをずっと替えないままでいると、カバーに付いた人間の油や皮脂が臭いを放ち、ダニをおびき寄せる原因になります。ちなみに男性が使っている枕カバーが一番ダニを誘い出しやすいそうです。世の中の女性の方々、本当に申し訳ございません・・・。

布団カバーをこまめに取り替えることで布団自体に付く汚れも防止できます。ぜひ活用して欲しいお手入れ方法ですね。

掃除機・クリーナーで布団の表面を吸う。

掃除機・クリーナーでのお手入れは、布団表面にあるフケやホコリ、ダニの糞・死がいを手軽に除去できる方法として有効です。水洗いをすることができないベッドマットレスのお手入れにも良いですね。ダニやホコリが溜まりやすいマットレスのキルティング部分や溝を丁寧に吸ってあげてください。

最近ではレイコップやダイソンに代表される布団専用クリーナーが評判。特にダイソンは他のクリーナーをしのぐ吸引力を売りにして、ダニ除去率をアピールしています。

⇒布団クリーナー2機種のハウスダスト除去効果に関する調査レポート

ただし、布団内部にあるダニアレルゲンの除去にはどうしても力不足。他の方法と併用しながらダニの住めない環境づくりに活用しましょう。

水洗いをする。

ダニアレルゲンを一番効率的に除去する方法は水洗いです。実験データによると、布団に存在するダニアレルゲンの90%以上が水洗いで除去できます。掃除機では約40%前後しか取りきれなかったというので、水洗いの優位性が目立ちますね。

ダニの糞や死がいは水溶性(水に溶けやすい)なので、水洗いを行うことで布団に付いた汚れや臭いとともにダニも除去されていきます。また、仕上げに乾燥を行うことで中わたもふっくら、湿気も飛んで布団の環境が良くなりますね。

布団を洗うタイミングは2,3年に一度くらいがベター。半年~1年に1回くらいの頻度で洗うという方もいますが、洗濯回数が増えるとその分生地の傷みや布団の劣化が早まる恐れがあり。それよりも、カバー・シーツを取り替える頻度を多めにしてあげる方が得策だと思います。

⇒当店の布団水洗い・お手入れメニューのご案内はこちら

布団って洗ったりコインランドリーに持ち込んでも良いの?

結論からいうと、コインランドリーでの布団洗い・乾燥は推奨できません。理由は、生地・中身が傷んで、布団が壊れてしまう可能性があるから。そしてコインランドリーで失敗した方が当店に布団を持ち込まれて「使えるように直して欲しい・・・」と相談されることが結構あるから、です。

布団は本来、定期的な水洗いに耐えられるようには作られていません。ですので、過度な力をかけて洗ったり使用する洗剤を間違えると、生地のちぢみ、わたの片寄りが出てしまうことがあります。

コインランドリーでは回転式の洗濯機がメインなので、グルグルと回しているうちに生地がこすれてしまいます。また、内部まで水が染み込んだ布団を乾燥させるにはある程度の時間が必要になり、きちんと乾燥させないと湿気が残ってカビが発生することもあります。

JBA(日本寝具寝装品協会)が色々な種類の布団を洗濯してみた結果をみると、サイズが小さくちぢんでしまったり、中わたが片寄ったり、生地が劣化してしまったり・・・というショッキングな内容。服を洗うイメージで布団を洗濯してしまうと、ちょっと危ないですね。

⇒JBA・布団の洗濯試験の詳細【ふとんの新JIS取扱い表示に関するJBAガイドライン】

また、布団には自分が知らない間に汚れが染み込んでいたり穴が開いていることがあります。普段はカバー・シーツを付けて使用しているので、布団自体の傷み具合は見落としがちなんですよね。

生地が弱っているのにコインランドリーで洗ったり乾燥させてしまうと、最悪の場合生地が裂けることも。羽毛布団なんかが裂けてしまったら、中の羽毛がバーっと吹出してきてそれこそ悲惨な状態になります・・・。

布団の丸洗いは専門業者に任せて、布団の素材別に洗ったり専用の機械でお手入れしてもらった方が良いと思います。コインランドリーや家庭でお洗濯するのは、ウォッシャブル対応の布団のみにした方が安全です。

まとめ

布団に潜むダニを減らすには、日々のお手入れがとても大切です。

日干しやカバー・シーツの取り替えは布団のお手入れの基本ですが、定期的にやるのとやらないのでは大違いです。ダニが住みにくい環境づくりにも役立つし、布団の状態を綺麗に保つことができます。

皆さまも、綺麗な布団・寝具で毎日気持ちよく眠ってくださいね!

それでは、また!


<参考文献>

・コナヒョウヒダニの繁殖条件の研究 脇誠治ほか
・コナヒョウヒダニが生産するアレルゲンDef1量の測定とその安定性の評価 稲田貴嗣ほか
・チリダニ類の生態および温湿度変動からみた室内環境の乾燥化とアトピー性疾患 須藤千春
・ヤケヒョウヒダニの過冷却点と耐寒性に関する研究 角田隆ほか
・THE CHEMICAL TIMES 2017年1月号
・家屋内生息性ダニ類の生態および防除に関する研究(1.2.3.4.7.8)吉川翠
・ふとんの消費性能特性及び衛生特性の経時変化 山崎義一
・アレルギー疾患の誘引とその対策 森田園子ほか
・ダニアレルゲンの免疫生物学とアレルギー疾患 安枝浩
・布団内ダニアレルゲンの除去方法の評価 阪口雅弘ほか
・寝具の汚れおよび室内塵中のヒョウヒダニ誘引成分について 石田浩彦ほか
・寝具からの発塵による空中浮遊菌およびダニアレルゲンに関する考察 栗山恵都子ほか