Blog 私たちが伝えたいこと

2019/03/04

暑すぎる!重すぎる!使い勝手の悪い羽毛布団を劇的リメイク

羽毛布団リフォーム

20190115f

こんにちは、店長です!

大阪府にお住まいのお客様から羽毛布団リフォームのご相談をお受けしました。今回はちょっと特殊な事例です。

店長さんのブログを拝見してメールしました。羽毛布団のリフォームについてお尋ねします。
今年羽毛布団を購入したのですが、暑すぎて一晩も寝ることができませんでした。肌掛けと合い掛けに作り直しを考えています。
新品なので羽毛の洗いはなしで、仕立て直した場合の見積もりをお願いできますか?
リフォーム生地は同じサテン80番で、できれば一枚は今の生地を使えればうれしいのですが無理でしょうか?
いろいろと勝手を言って申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

羽毛布団が暑すぎる理由

『羽毛布団が暑い』というご相談はそう珍しいものではありません。色々な原因が重なって、羽毛布団の着心地がお使いになる方の好みや肌感覚に合っていないことがときたま起こります。

その原因というのは、

  • 暑がり体質にもかかわらず、保温性の高すぎるふっかふかのフトンを使用している。
  • 寝室での空調利用やお家の気密性により冬でも室内温度がそこまで下がらないのに、保温性の高い羽毛布団を使用している。
  • 羽毛を入れすぎているor生地がポリエステル等で通気性・吸湿性が悪く、ムレて暑く感じている。

などが主な事例です。

特に多いのが羽毛布団を購入するときに保温性を重視しすぎて失敗してしまうパターンです。

羽毛布団のセールスでは、中に入っている羽毛がどれだけ膨らんでどれだけ暖かくなってくれるのかをアピールされまくります。お店でもネットでも「こんなに羽毛がふくらむんですよー!」みたいな宣伝、見たことありますよね?その説明を信じて高い羽毛布団を買ってみたけど、お家で使ってみたら膨らみすぎて体に全然フィットしてくれない、暑すぎて真冬しか使えない、なんてことを経験されている方は少なくないはずです。今回のお客様もこのようなケースに当たります。

確かに、空気を含んで大きく膨らむ力が強い羽毛を使う方が良いです。私もそういう羽毛原料をお薦めしています。その方が耐久性が高くてホコリになりにくいという付加価値が往々にしてあるからです。

ですが羽毛の品質よりも大事なのはその羽毛のパワーをきちんとコントロールできるかどうか、ということです。

羽毛をきちんとコントロールするには

  • 羽毛の品質・保温性に応じて入れる量を変える
  • お使いになる方に合わせて羽毛の量を変える
  • 羽毛を包み込む生地の通気性・重さによっても変える

といった要件があります。

いくら羽毛のパワーが強くて保温性が高くても、入れ過ぎて暑くなりすぎるのはダメです。ましてや、良いものだからとどんどん布団に詰めていっても値段が上がるだけで品質的には無駄になります。自分はMサイズの服がちょうど良いのに「大きい方がオトクですよ!」と訳の分からん理由でLサイズの服をお薦めされるようなものです。(そんな店員さんいないですけどね)

自分のスタイルに合った服を選ぶように「自分のちょうど良い暖かさ」に見合った羽毛布団を使う。これが実現すると、寝具の着心地がものすごく変わります。ちょうど良いってサイコー!って思うようになるんですよね。

 

20190115a

今回お預かりした羽毛布団がこちら。一晩しか使っていない新品ですので、当然ですがめちゃキレイです。

 

20190115b

表示ラベルを見ると山梨県のメーカー製です。「甲州羽毛布団」というブランドの羽毛布団ですね。

羽毛はポーランド産のホワイトマザーグースで、ダウン率は93%。1.3kgの羽毛が中に入っているようです。仕立て方はツインキルトというタイプ。うん、このツインキルトがお客様を苦しめていた原因のひとつだと思います。

20190226a

(画像出典:https://www.kyoto-nishikawa.co.jp/products/7308/)

ツインキルト(2層キルトともいう)とは、布団の表裏でキルティングの部屋割りが異なる仕立て方の名称です。図のように表側は横3列に部屋がありますが裏面は4列になっていたりするものですね。

このキルトの良いところは、ミシン目が体に当たることなく羽毛の保温性を逃がさないという点です。要は普通のキルティングよりも保温性が増してくれます。寒がりの方や寝室の温度が低いお家の場合は重宝します。

逆に欠点としては、保温性が出過ぎることと着心地が重たくなること。布団の真ん中に1枚生地を入れて仕立てるので重量が増してしまいます。さらに暑がりさんが使うとやはり暑すぎる。冬の一番寒いときじゃないと使えない、と感じる方もいます。

 

20190115f

この羽毛布団をお送りいただいたお客様の体質・寝室の温度をお伺いすると、

  1. 暑がりの旦那様がお使いになる予定
  2. 寝室の温度は2月時点で19℃である。気密性の高いマンションなので、冬でも寒く感じることはない。

とのこと。間違いなくツインキルトの羽毛布団では暑すぎるでしょう。ここまでの羽毛布団は確実に必要ありませんし、もし寒いと感じた場合には毛布などで調整する方がうまくいきます。

 

20190115g

中に入っている羽毛もきちんと確認していきましょう。

 

20190115c

20190115d1

ポーランド産マザーグースという品質の高い羽毛が入っているということなので、やはり現物を見ても羽毛自体の品質は良さそうです。大きくふくらみそうなダウンで、真ん中の核部分も色濃く詰まっている感じ。

このレベルの羽毛であれば1.3kgも中に入れてしまうと逆に使いにくくなるのではないかと思います。300g減らして1.0kgほど入れてあげるだけでも十分冬を越せるほどの保温力を出せるはずです。

作り手の心理として「他社製造の羽毛布団よりも中身が増量であった方が売れやすい」とか「羽毛が多く入っていた方が高級感が出る」という考えはもちろん分かりますが、使う側に立ってみればそんなことはどうでも良いですよね。

使ってちょうど良い分だけ、羽毛が入っていればそれで十分。寒すぎるのはダメですが暑すぎるのも絶対ダメです。

リフォームで出来上がった羽毛布団

20190125a

<リフォーム内容>

  • シングルサイズ⇒シングルサイズ肌掛け・合い掛けへのリフォーム
  • スチーム洗浄・ホコリ除去(布団を解体して取り出した羽毛をスチームでクリーニング)
  • 新品羽毛の補充:なし
  • 新品生地:綿100%・80番手 平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
  • キルティング(肌掛け):たて7×よこ6マスキルト
  • キルティング(合い掛け):たて6×よこ5マスキルト マチの高さ7cm
  • 最終的な羽毛充てん量(肌掛け):0.4kg仕上げ
  • 最終的な羽毛充てん量(合い掛け):0.8kg仕上げ

リフォーム参考価格:54,000円(税込)

今回はシングルサイズ1枚から2枚の羽毛布団にリフォームしました。お客様からのご要望で「生地をそのまま流用したい」とありましたが、生地をお返しすることは何とかできてもそのまま流用することはなかなか難しい旨をお伝えし、2枚とも生地を新調させていただきました。

今回は新品の羽毛布団だったので、羽毛洗浄はスチーム方式でOKでした。ある程度使用感のある羽毛布団であれば完全水洗浄にて汚れをしっかり落としていきます。

 

20190125b

まずは合い掛け。春や秋などはもちろん、適度なボリュームなので年間通してお使いになる方も多いタイプです。

羽毛の量を800gにするか900gにするか最後まで迷いましたが、寝室の温度が19℃もあるということを加味して800gに調整ししました。あんまりボリュームが出過ぎてもこのお客様にとってはうれしくないことですからね、ちょうど良いを目指した形で仕上げております。

 

20190125c

新調した生地は綿100%の平織りタイプ。お客様はサテン織り生地での加工を希望されておりましたが、平織りの方が通気性が良く湿度を調整しやすい利点があるので、あえてこちらをお薦めいたしました。結果的にはそれが良い方向に進んでいったのかなと思います。

生地が軽量になることで布団自体の着心地も軽くなりますし、ムレ感も軽減できます。ぺったりもたつく感じもなくなるので、暑くなりすぎないことをとことん目指してのご提案です。

 

20190125d

つづいては肌掛け。夏に使用することを想定して薄めにおつくりしています。エアコンをかけた寝室にぴったりのタイプです。

 

20190125e

生地は同じく綿100%の平織り。夏の方が汗をかくケースが多くなるので、寝ている間にかいた汗や湿気をうまく逃がしてあげないとムレ感で布団のなかがジメジメしてきます。その不快感を解消するためにも平織りをご提案したところ、お客様にも納得いただけたご様子。平織りは目地が緩みにくいので万が一のクリーニングの際にも安心です。

 

出来上がった羽毛布団をお送りして、実際にお使いいただいた感想を頂戴いたしました。

羽毛布団の使用感についてご報告します。家族の内3人で交換しながら羽毛布団を使ってみました。
寒がりや一枚で寝たい人は800g、自分で調整したい人は400gとそれぞれお気に入りとなりました。
母が生地の音が少し気になると言っていますが、生地の特性上仕方ないことと軽量・通気性が良いことを説明したところ納得していました。
リフォームを三浦綿業さんにお願いして良かったです。

実は同じ羽毛布団がもう一枚あり、こちらもリフォームを検討しています。400gを3枚同じ生地で作った場合の見積もりをしていただけますでしょうか?
お手数ですが、よろしくお願いいたします。

 

20190304a

ということで、ご追加分として羽毛布団1枚からシングルサイズの肌掛けふとんを3枚おつくりいたしました!

生地は前回と全く同じタイプで羽毛の量は400g入り。

生地の質感については、柔らかいサテン織りと比べると確かにコシがあるように感じる平織りですが、1シーズン使うと生地がなじんで柔らかくなってくるのでご安心くださいませ。布団カバーとも相性が良くなります。

 

Y様、このたびはたくさんのご注文を誠にありがとうございました。お仕立てした羽毛布団がぴったり合うようにご満足いただけているようで何よりです。

ぜひこれから長い間ご愛用いただければと幸いです。またお困りごとがあればいつでもお申し付けくださいね!

それでは、また!

 

⇒ 羽毛布団リフォームの詳細はこちら

The following two tabs change content below.

店長・三浦 峻

大学卒業後、雑誌編集・ライター業を経て寝具メーカー【西川リビング㈱】に入社。4年間みっちりと寝具・眠りに関する事を勉強して地元・愛媛県に帰郷。現在は三浦綿業の店長として、眠りの大切さを多くのお客様にお届けしています。
カテゴリー キャンペーン・お知らせ