結婚祝いに貰った大切な西川製の羽毛布団をキレイにリフォームする!

こんにちは、店長です!

今回は長崎県にお住まいのお客様から羽毛布団リフォームについてご相談いただきました。

30年前に購入した羽毛布団のリフォームができるかどうかということなのですが、詳細をお伺いしてみると↓

結婚祝いに祖母から買ってもらったものをもう30年以上使用います。

生地が裂けてきて、カバーをかけなおす時に羽毛が飛び出、さすがにもう寿命かなと買い替えを考えています。リフォームた方がよいのか、く買った方がよいのか、一度現物をみてもらってから決めようと思いメールさせていただきまた。

中身は開けてみないとわかりませんが、表示内容ではダウン率95%で当時は結構な値段でた。今回の相談は主人が使用ていたものについてです。ご回答よろくお願いいたます。

という状況です。生地破れによっ羽毛が吹き出してしまうことが一番大きなお悩みだというご様子。ただ、30年という年月が経過していますが、結婚祝いの贈り物・おばあさまとの思い出深い大切なお品物であるということをお客様のメールから強く感じました。

品質も高いことが予想されますので捨てるにはまだもったいない可能性も十分にあると思い、当店でお預かりして状態をチェックさせていただくことになりました。

お預かりした羽毛布団がこちら。サイズはシングルサイズです。

大阪西川製のタグとともに品質表示ラベルの印字を確認することができました。

側生地は綿100%、中身はダウン95%/フェザー5%という品質です。お客様の記憶どおり、購入当時では西川のなかでもかなり上位ランクのものであるということが分かりました。

この布団の愛称は「ニューラーク」。この名前を聞いて懐かしい!と感じる寝具業界の方も多いのではないでしょうか?品質の良さと生地の柄が人気となり、30年前爆発的にヒットした羽毛布団です。※私は当時5,6歳ですが、この布団の噂は業界に入ってから何度か耳にしたことがあります。

布団を広げてみると全体的なボリューム感はしっかりと保たれているような印象があります。羽毛の片寄りや移動もそこまで進行していない様子。

ただ、布団の端っこに汚れやシミが多くあり、かなり生地にダメージが蓄積しています。

ご主人様が使用していたということですが、おそらく首や顔がよく当たる部分だったのでしょう。汗や皮脂が付着して酸化することによって黄色く変色してしまっています。

このようなシミが多く付着した部分の生地は破れやすくなっているので、羽毛の吹き出しに注意が必要です。今回の布団はすでに生地破れが広範囲に広がっていて、テープでの補修ではもう収まりが効かなくなっています。。

では中に入っている羽毛はどのようになっているでしょうか?生地を開いて取り出してみます!

取り出した羽毛がこちら。白くてふわふわの羽毛がたくさん入っています。品質表示の情報は間違いなく、暖かさの素になるダウンが多くて硬い羽根フェザーはとても少ないことが分かりました。

手作業で羽毛を選別してみると羽毛の状態がとても良く分かります。外見だけではチェックできない、こういう隠れた部分の状態をしっかり見極めることが羽毛布団リフォームにとってものすごく大事なことです。

こちらは羽毛が千切れて小さくなっていたり、ホコリのような形に変化している部分です。

寝ている間ずっと我々を包み込んでくれる羽毛布団は、毎日かなりの衝撃とダメージを受け止めています。寝返りするたび振り回されたり、襟元をぐいっと引っ張られたり、上からど〜んと乗っかれたり、その度に布団のなかで踊るように動く羽毛は次第に摩耗していき、だんだんと小さくなっていくのです。

このような劣化した羽毛は保温力を担うことはできず、生地からの吹き出しになる恐れがあるため、丁寧に取り除いていきます。

一方こちらは、大きくて綺麗な形を維持している羽毛です。とてもボリューミーな見た目、弾力性があり、なんといっても一粒ずつの大きさがすごい!ここまで良い状態の羽毛が残っているとは、正直予想しておりませんでした。

お預かりした羽毛布団は相当レベルの高い品質です。もちろん、大事に愛用されてきたお客様のものだからこそ、ここまで綺麗に羽毛が残っているということではありますが、リフォームする価値が十分にあります。

捨てるなんてまだまだもったいないです!という報告をお客様にお伝えしたときにとっても喜んでいただけたことが何よりも嬉しく。これからもまた長くお使いいただけるよう、綺麗にリフォームさせていただくことになりました!

リフォームが完成!

<リフォーム実施内容>

シングルサイズ→シングルサイズへのリフォーム

  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%/フェザー5%を合計300g
  • 新品生地:綿100%・80番手サテン織り(1㎡あたりの重さ:114g)
  • シングルサイズ(150×210cm)にお仕立て
  • 羽毛量:1,300g入り
  • 羽毛の片寄りを防ぐ完全立体キルト

出来上がり参考価格:83,000円(消費税・往復送料込み)

リフォームが完成した羽毛布団がこちら。ふっくらとしたボリューム感を実現することができました。

側生地はすべて新調し、お客様のお好みに合わせて花柄のものをご用意いたしました。

今回の羽毛布団をお預かりしたのは今年の9月だったので、まだまだ暑い時期でした。そこから3ヶ月が経過し気温もぐっと低くなってきた12月。お客様から久しぶりにいただいたメールにはこんなことが書かれていました。

初冬の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

12月に入りやっと冬らしい気候になってまいりましたね。9月から10月にかけて羽毛布団のリフォームをお願いした長崎の〇〇です。

寒くなってまいりましたので羽毛布団の出番となり、お陰様で毎日快適に使用しております。

私が使用したわけではないのですが、主人の感想をお伝えしたく、ご連絡させていただきました。「まるで何も着ていないように軽い!」「何だか香りがよい!」「すごく暖かい!」と申しておりました。大満足のようです。

寒さが厳しいときは、タスマニアウールの軽い毛布を布団の上から着ていましたが今年は必要ないかもしれません。

ずっと大切に使用してまいります。本当にありがとうございました。

うわ〜、とっても嬉しいお言葉をいただくことができて感無量です。大切な羽毛布団だからこそ、捨ててしまうのは悲しいと仰っていたお客様。そのお客様にご満足いただける羽毛布団をお届けできて本当に嬉しく思います。

ぜひこれからも末長くご愛用いただけますと幸いです。

軽くて、あったかくて、体にぴったりフィットする羽毛布団。これからも毎日お客様の体を優しく包み込んでくれると思います。

S様、この度はメッセージをいただきまして誠にありがとうございます!

また何かありましたらぜひお気軽にお申し付けくださいませ☆