こんにちは、店長です。
毎日眠るときに使っているマットレス。でもその中身がどのような構造でどんな状態になっているのか見たことがある人は少ないと思います。
そこで今回は、マットレスを分解して中身がどうなっているのかを徹底チェック!汚れ具合や寝心地、スプリングの状態などを調べてみました。
20年間使い続けたマットレス。
今回分解するのは、当店でマットレスを買い替えて頂いたお客様が使用していたもの。約20年間使っていたとのことで、処分を理由に引き取ってきました。
買い替えるときにお客様は「長く使っているから、だんだん寝心地が悪くなってきた気がする」と仰っていました。果たして中身はどうなっているのでしょうか?
種類はスプリングコイルが中に入っているマットレスで、多くの方に使用されているタイプです。よく見ると20年間の汚れがちらほら付いている状態。生地が破れていたり、マットレスの表面が極端に凹んでいる様子はありません。
まずは寝心地をチェックしてみる。
まずは、マットレスの寝心地を測定していきます!専用の機械(こげ茶色のシート)をマットレスに敷いて、その上に寝た時に生じる身体への負荷を測定していきます。実験体は店長です!
⇒寝心地測定の詳細は『ニュートラルな気持ちでトゥルースリーパーを試し寝&検証してみた!』をご覧ください。
測定してみた結果がこちら。身体に生じる負荷の強さを色で示しているのですが、青~緑色の部分はセーフ状態、赤くなっている部分は負荷が強い状態=体重がかかりすぎて身体に負担が生じていることを表します。
画像は仰向けに寝たときの様子を映していて、背中部分と腰部分に負荷を示すオレンジ~赤色が。長年の使用でマットレスのクッション性が失われ、体重負荷をうまく逃がせていない可能性があります。
もっとも、このマットレスは新品当初から硬めの寝心地だったと思われるので、店長の体型(腰のくびれにすき間が出来やすい)には合わないタイプです。
マットレスの中はどうなっているのか?
さて、いよいよマットレスの中身がどうなっているのか、分解していきますよー!
まずは生地をカッターで切りながら外していきます。
ちょっとだけ生地が外れたので、横から中をチラ見すると…。
スプリングが錆びまくっている!!
スプリングコイルは金属なので長年の使用で錆びることは予想していましたが、ここまでとは…。
俄然、中身の様子が気になってきたので生地をどんどん外していきます!
生地を裂いていくと、クッション材が見えてきました。
黄色いのがウレタンで、グレー色の方が色々な糸や綿が混じっている詰め物です。スプリングコイルの上にこのようなクッション材を敷くことで、寝心地を若干ソフトにしていると思われます。
生地を半分だけ外してみました。
クッション材を外して、いよいよスプリングコイルとご対面です!
どーん!スプリングコイルをむき出しにしてやりましたよ!写真では見えないですけど、ホコリがふわふわ舞っております笑。
横から覗いたときにも見えていましたが、金属の錆びがスプリングコイル全体に広がっております…。
コイルの形状は「ボンネルコイル」と呼ばれるもので、硬めの感触のタイプが多め。寝転がるとボヨンボヨンと跳ねる印象があるのですが、コイル自体が錆びてしまうとバネの動作も悪くなり、品質の劣化につながります。
クッション材にも錆びが付いています。まあ、20年使用されたものですからね、こうなっちゃうのはしょうがない。寝心地にしても20年経てば、スプリングであれウレタンであれどんなものでもヘタりと寿命はやってきます。
錆びているからといって、ボロボロ崩れることはありませんよ。こうやって踏んでみても一応大丈夫です。
このスプリングコイルさん達がお客様の眠りを20年間支えてきたんですね…。長い間お疲れ様でした。
あとは私にお任せください!
目に見えないものを大事に。
マットレスを分解してみて、予想以上に金属の錆びや汚れが発見されたことはとても衝撃的でした。生地に包まれているので、錆びを口から吸いこんだりすることはないのですが、気分的に良いものではありません。何よりマットレスは毎日の寝心地に大きな影響を与えるものですから、少しでも良い環境で眠ってもらいたいところであります。
当店では10年前からスプリングコイルのマットレスは販売していません。理由はこの記事で見て頂いた通り、衛生面の問題や処分するときの大変さ、寝心地の調整が難しいという点からです。マットレスの取り扱いはオーダーメイドマットレスに代表されるウレタンフォームを中心にしています。
目に見えない部分に品質の差や寝心地の良さが詰まっている寝具。少しでもその存在を分かりやすくお伝えするために、これからも試して分解して調査していきます!!
それでは、また!