丸洗いに失敗したダウナ羽毛布団を綺麗にリフォームする!

こんにちは、店長です!

日本全国からご相談を受付しております羽毛布団のお手入れ。今回は福岡県にお住まいのお客様から【大塚家具・ダウナ羽毛布団】をお預かりいたしました。

メールでいただいたご相談内容はこちら↓

12年間ダウナを大切に大切に使ってまいりました。ところが昨年、子どもがそのダウナに嘔吐してしまい、近くの布団洗い業者に洗濯をお願いしました。
すると、布団カバーの内側に小さな羽毛が付着するようになりました。今まで全くなかったことです。
そして厚みも以前よりダウンしているように思います。
まずは修理するのにどのくらいの費用がかかるのか知りたくてメールさせていただきました。
どうぞ宜しくお願いいたします。

こちらがお客様からお預かりした羽毛布団です。「丸洗い後に羽毛が吹き出してきた」とのことですが、生地には目立った汚れやシミもなく、綺麗な状態のように見えます。羽毛の膨らみ、ボリューム感もしっかり残っていそうな様子。12年間毎日大事に使ってきたということですので、日頃から日に干したりカバーを頻繁に取り替えておられたのでしょう。愛着を持ってダウナをお使いだったお客様の姿が目に浮かびます。

一方で羽毛布団の丸洗いに失敗してしまった、というお話はよく聞きます。臭いはもとより雑菌やダニを死滅させて布団をすっきり綺麗にしたいという要望は年々高まっているので、布団をお洗濯してみたいとお考えの方も多いと思います。

コインランドリーを利用したりクリーニング屋さんにお願いするなど、丸洗いの方法はいろいろあるのですが、羽毛布団を洗う上でいちばん大事なのかは乾燥です。羽毛は一度濡れると非常に乾きにくく、乾燥にとても時間がかかります。十分に乾燥させないと元のふわふわ状態には戻らなくなってしまいますのでぜひ注意してください。

特に、ダウナの生地はとても繊細です。(綿100%100番手の極細糸を使用、平織りで薄く仕立てられている)

乱暴に洗ってしまうと生地に折り目やシワができてしまったり、目地の緩み・破れなどが発生することもあります。

大塚家具ではダウナを丸洗いする際に白洋舎(全国チェーンのクリーニング屋さん)を推奨するそうですが、どこの業者に頼むとしても「生地が繊細なのでできるだけ丁寧に洗ってください!」と念押しした方が良いです。

羽毛布団の丸洗いに失敗?リフォームで綺麗に復元してみよう!

さて、今回の事例に戻ります。

お預かりしたダウナのサイズはダブルサイズ。2006年に製造、1,240gの羽毛が入っているので「ダウナ プレミアム」と呼ばれるタイプですね。冬を暖かく過ごすための保温性をしっかり感じることができます。

お客様からメールをいただいた時点ではもっと劣化している姿を想像していたのですが、布団を広げても羽毛のボリューム感をはっきり感じることができます。

羽毛の吹き出しも多少ありますがそこまで気にはならないレベル。中身の状態も良さそうなので一安心です。

中身の状態をチェックするため、生地を開いていきます。

布団から取り出した羽毛。ダウンやらフェザーやらホコリなどが入り乱れているこの状態から手作業で選別すると、

綺麗な羽毛と劣化した羽毛に仕分けすることができます。

500円玉と大きさを比較している方が綺麗な羽毛です。ポーランド産ホワイトマザーグースダウンという高品質な羽毛が使用されているダウナですので、12年という年月が経過していますが、しっかりと空気を含みながらふんわりと膨らんでくれる羽毛がたくさん残っていました。

やっぱり2006年製造はモノが良いですね。使用年数が経過しても羽毛がボロボロに崩れることが非常に少ない。羽毛自体にコシがあるので耐久性が高いです。数多くダウナのリフォームを行っていますが、2000年から2008年製造くらいまでのダウナが状態が綺麗に残っている場合が多いです。

はっきり申し上げますが、2010年以降に製造されているダウナよりもこの頃の方が羽毛の品質は数段上です。「手摘み(ハンドピック)」だと尚良し。リフォームする価値が十分にあると感じます。

羽毛は天然素材ゆえに採取される年によって品質にブレが生じます。このブレが少ないのが2010年以前のダウナ、それ以降(2011年以降〜)になるとアイテムごとに品質のブレがあり、当たり外れの差が大きくなっていると個人的に感じます。

ダウナしかり、品質が高い羽毛布団を購入する際には「中身を見せてください」とお願いして、羽毛原料を直接見せてもらうのも手です。品質に自信を持っているお店の店員さんなら喜んで原料を持ってきてくれるはずです。

実際に目で見て、直接触って弾力性を確かめてみると、より品質の差をリアルに感じとれるようになります。当店でも羽毛原料の見本を用意しておりますので、お気軽に触れてみてくださいね!

綺麗な羽毛と劣化した羽毛を比べてみましょう。

写真左が綺麗な形を維持しているダウン、右が小さく劣化しているダウンです。

劣化した羽毛は形が小さくなっていることもそうですが、中心部分がぶちゅっと潰れてしまって硬くなっています。小麦粉のダマのような状態ですね。湿気が布団の中にたまっていたり、丸洗い後の乾燥が不十分だとこのように硬く潰れてしまうことが多いです。

丸洗いしてから羽毛布団のボリュームが少なくなったように感じるというお客様の感覚は、小さく潰れてしまった羽毛の変化を感じ取っていたのではないでしょうか?ふわふわで軽やかな着心地だったのが、なんとなく萎んでしまってゴロゴロと片寄りが出てきているように思う。リフォームで綺麗にお手入れして、お客様のお悩みをすっきり解決していきましょう!

リフォームの出来上がり!

<リフォーム結果>

ダブルサイズ➡︎ダブルサイズへのリフォーム

  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトグースダウン93%を300g補充
  • 新品生地:綿100%・80番手平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
  • キルティング:たて6×よこ6マスキルト
  • 羽毛充てん量:1,240g

1枚あたりの出来上がり参考価格:68,000円(税込)

布団を解体して羽毛を綺麗に洗浄。

しっかり乾燥を行いながらホコリを取り除いていく。

新品羽毛を状態に合わせて補充し、量とパワーを回復。

側生地は全て新調して新鮮さを取り戻し、ご希望サイズにお仕立て。

お預かりした時と同じサイズ、同じ羽毛量にリフォーム。

上記の工程を丁寧に行い、新しい羽毛布団へと生まれ変わることができました。

リフォームが完成した羽毛布団をお届けした数日後、お客様からこんなメールをいただきました。

お世話になっております。先ほど無事にダウナが到着しました。ありがとうございます!

外側の生地も張りがあって今までのものより私の好みです。においもすっきりと爽やかな状態で感激しています。使うのがとても楽しみです。

そしてこれからも大切にしていきたいと思います。

いろいろと細やかにご対応くださり、本当にありがとうございました。

出来栄えにはご満足いただけているご様子嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!

新しくなった羽毛布団をこれからも長くご愛用いただけますと幸いです。

ぜひ毎日気持ちよくおやすみくださいませ☆

また何かお困りごとがありましたらいつでもご相談くださいね!

それでは、また!