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2019/06/07

大塚家具・ダウナ羽毛布団の生地はどうして破れやすいのかを考察してみた

羽毛布団リフォーム

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こんにちは、店長です!

東京都にお住まいの方からお電話で羽毛布団リフォームのご相談をお受けしました。リフォームしたいという羽毛布団は大塚家具のダウナ。10年以上使ってきたが徐々に生地が破れてきてしまって、羽毛が吹き出してくるのがここ最近の悩みだと仰っていました。

 

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よろしければお使いの羽毛布団の状態をチェックさせていただきます!、ということで今回のお客様からお預かりしたのがこちら。

一見すると生地に目立った汚れもなく、ふんわりとしたボリュームも残っています。うん、まだまだ十分使えそうな感じ。お客様は10年以上たっても丁寧に大事にこのダウナをお使いだったのだろうな、としみじみ思います。

 

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商品ラベルにはダウナの文字と「20071-」という数字。2007年に製造されたということが分かります。

 

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さて、ここからが今回の本題です。

当店でお預かりするダウナの約80%が生地に何らかの問題が起こっているのですが、今回お預かりしたダウナもその例に漏れず。写真のようにバックリ破れてしまった部分をお客様が縫いあわせておられました。生地が破れていたのは全部で5ヶ所。奇跡に近い形で羽毛の吹き出しが防がれていましたが、また生地が破れてくるのは時間の問題です。

なぜこんなにも生地が破れてしまったのでしょうか?

なぜダウナの生地は破れやすいのか?

糸の打ち込み本数が少ない

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打ち込み本数とは、1インチ(2.54cm)角の生地に織り込まれている糸の本数を示すものです。この本数が多いほど高密度に織られてしっかり強度もある生地だという認識で良いと思います。使用されている糸の細さの指標にもなったりしますね。

さて、この打ち込み本数でみるとダウナは少し弱め。

1インチあたり295本の打ち込み本数であることが公式サイトで確認できます。 

→大塚家具HP・羽毛布団「ダウナ プレミアム」

ダウナはドイツ製ですので日本規格の生地と比べること自体ナンセンスかもしれませんが、当店で用意している羽毛布団用生地と比較すると

  • 綿100%60番手サテン織り:364本
  • 綿100%80番手サテン織り:405本
  • 綿100%100番手サテン織り:448本
  • 綿100%80番手平織り:320本
  • 綿100%100番手平織り:350本

とこんな感じです。サテン織りは織り方の特性上、糸の本数が段違いに多くなります。そうしないと羽毛の吹き出しを抑えることができなくなるから。対して平織りはタテ糸・ヨコ糸を交互に織り上げていくので糸の本数は比較的少なくて済みます。それでも、80番手の平織りで320本くらいはしっかり織り込んでいます。

ダウナの打ち込み本数が295本だと知った時には「なんでそんなに少ないんだろう」と感じました。生地の質感的に太い糸を使用している訳でもなさそうだし、通気性を重要視しているからなのかな?

打ち込み本数の多い少ないだけで生地の耐久性を比較することはできませんが(サテン織りが絶対強いって訳ではない)、これだけ多くの方がダウナの生地破れに困っている現状をみるともう少し生地の強度を上げる方策を取っても良いのでは、と思ったりします。

 

一年中使っている人が多い

ダウナを使用されている方には結構あるあるなのではないでしょうか?ダウナシリーズの中でも一番羽毛量が多い「プレミアム」でも、春夏秋冬ずっと毎日使っているという方は少なくありません。

使う時期が長くなるということは、必然的に生地の劣化も早まります。一般的に販売されている羽毛布団はだいたい冬専用に作りますので、1年のうち3,4ヶ月しか使わない羽毛布団と毎日365日使うダウナとでは、生地だけでなく羽毛の劣化具合にも大きな差が出ます。

汗や汚れが付きやすい襟元部分はやはり破れやすいです。生地が劣化してパリパリになってくるともうすぐ破れてしまうかものサインなのでご注意ください。

ダウナをより長い間使用するためにはお手入れが必須。掛け布団カバーを付けて生地に汚れがつかないようにしてあげたり、月に一度は干してあげて湿気を逃してあげることがとても大事です。

 

ダウナは干さなくても良いという店員さんの説明

大塚家具さんでダウナを実際に購入するとき、店員さんから「ダウナは干さなくても良い」という接客を受ける場合があります。これを鵜呑みにしないでください。店員さんは干さなくても良いと言っているだけで干す必要がないとは言っていません。

羽毛布団は干してあげることが一番大事なお手入れ方法です。丸洗いやクリーニングを行うのはそのあとのお話。綿100%の生地が吸収してくれた湿気・羽毛にたまった湿気をしっかりと逃してあげることで布団の劣化を抑えることができます。ダウナだって干してあげて全く問題ありません。晴れた日の午前中2〜3時間くらいお日様に当てて空気の入れ替えをしてあげてください。

当店でお預かりしたダウナのうちリフォームすることを止めた事例はだいたい「店員さんに言われて一回も干したことがない」タイプです。羽毛はぺちゃんこ、生地にも穴がいくつも空いている、襟元が黄色くなっているなど。せっかくの気持ち良い羽毛布団なので、ぜひ大事に手を入れてあげてくださいね。

もう一度、安心して羽毛布団を使えるように。

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生地は残念なことに破れが発生していたダウナでも、中に入っている羽毛が元気であればまだまだ再利用する価値があります。羽毛の状態チェックをするために、生地を少し開いていきましょう。

 

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開いた部分から羽毛を取り出してみました。

 

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色はキレイなホワイト。汚れが羽毛に付着している心配はなさそうです。筒を振るってみると、羽毛がふんわりと舞い上がります。多少は湿気がたまってコロコロと固まっている部分はありますが、これから羽毛自体を洗浄・乾燥させていくので全く問題ないレベルです。

 

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ダウンを拡大してチェック。もう少し中心部分が濃く、密度がしっかりあるダウンだと尚良いのですが、大きさはgoodです。この品質であれば、またこれから10年ご使用できる羽毛布団に生まれ変わらせることができるでしょう!

リフォームの完成!

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<リフォーム内容>

  • ダブルサイズ➡︎ダブルサイズへのリフォーム
  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄)
  • 新品羽毛の補充:ホワイトマザーグースダウン93%(DP440相当)を300g補充
  • 新品生地:綿100%・80番手 平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
  • キルティング:たて6×よこ6マスキルト マチの高さ8cm
  • 最終的な羽毛充てん量:1.25kg仕上げ

リフォーム参考価格:71,500円(税込)

 

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ダウナに入っていた元々の羽毛量は1.24kg。そこから劣化部分を取り除いて洗浄と乾燥を繰り返した結果、残ったのは1.0kgの羽毛。240gを劣化部分として取り除いたという計算になります。通常ならば300〜350gほど目減りするケースが多いので、今回は少ない方。つまり、羽毛の状態がとても良く元気な部分が多かったということです。

その目減りした分プラスアルファで300gの補充として、ホワイトマザーグースダウン93%の原料を使用いたしました。

 

 

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生地には綿100%80番手平織りをチョイス。市販されている羽毛布団に多いサテン織り生地よりも軽量かつ通気性に優れているので、ダウナの寝心地が大好きな方や新品当時の着心地を取り戻したいとお考えの方にはぴったりの生地だと思います。

質感は流石にダウナと比べてしまうと少しハリハリと硬い印象がありますが、1シーズンお使いになると馴染んで柔らかくなるのでご安心ください。僕自身がこの平織り生地を実際に2年間使って感じたことなので、もし気になる方はいつでもお問い合わせくださいね。

 

O様、このたびは誠にありがとうございました!

新しくなった羽毛布団で、ぜひゆっくりとおやすみくださいませ☆

それでは、また!

⇒ 羽毛布団リフォームの詳細はこちら

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店長・三浦 峻

大学卒業後、雑誌編集・ライター業を経て寝具メーカー【西川リビング㈱】に入社。4年間みっちりと寝具・眠りに関する事を勉強して地元・愛媛県に帰郷。現在は三浦綿業の店長として、眠りの大切さを多くのお客様にお届けしています。
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