大塚家具・ダウナ羽毛布団をリフォームする時に失敗しないための方法まとめ

20181103j

こんにちは、店長です!

2017年頃から大塚家具・ダウナ羽毛布団のリフォームを全国から受けるようになり、これまでで多くの経験を積ませていただきました。

ある意味特殊な羽毛布団であるダウナですので、リフォームを行ううえで注意するべき点やこうした方がより良くなるなどのポイントがあります。ご使用になっているお客様の要望や期待に応えるためにも、そういったポイントを考慮できるかどうかで仕上がりに差が出ることが分かってきました。

そこで今回は、先日リフォームが完了した神奈川県のお客様の事例を交えて、ダウナ羽毛布団のリフォームに関する注意点とポイントをまとめてご紹介いたします!

①布団の状態・劣化具合を見極める。

20181103a

どんな羽毛布団をリフォームするときでも、羽毛布団の状態と劣化具合をチェックすることはとても重要。その際には使用年数と使っていた方の性別・日々のお手入れの有無をお伺いしています。

※羽毛布団の状態を実際にチェックしている様子は以下の動画をぜひご覧ください。

ダウナの場合は製造年によって羽毛や生地の種類が変化している可能性があります(大塚家具に問い合わせるとスペックは初期から変わっていないと言われたが、私は変化していると感じる)。ですので、使用年数という情報もダウナにとっては大事なポイントです。

※劣化が進みすぎている場合はリフォームをお薦めしない場合があります。どんな状態の羽毛布団でもリフォームしてくれる業者もありますが、いくらお金をつぎ込んでも満足な仕上がりにならないことが考えられます。家や車と同じで、無駄なリフォームにお金をかけるのはやはりもったいないです。その見極めをするうえで当店では状態チェックをきちんと行い、結果を詳しくご説明いたします。

20181103c

今回のダウナは男性が8年ほど使用されていました。統計的には女性よりも男性が使用されていた羽毛布団の方が汚れ・劣化が進んでいる傾向にあります。

日々のお手入れはカバーを月に2~4回付け替えていたとのこと。また、3年前に一度丸洗いクリーニングを行ったそうです。カバーをこまめに替えていた+丸洗いを行ったことで、男性が使っていたにも関わらず布団の状態はとっても綺麗。リフォームに十分利用できるレベルでした。

②マチの高さをコントロールする。

20181103d

ダウナにはたて5×よこ4マスのキルティングが施され、それぞれのマスに羽毛が吹き込まれています。そのマスを分離している壁(マチ)は15cmほどの高さで、一般的な羽毛布団のマチよりも2、3倍高く設定されています。

20181103e

マチが高い理由はダウナに使用されている羽毛が大きく膨らむ強いパワーを持っているから。一般的な羽毛布団のマチ高は5cmほどですが、ダウナほどの品質があると少し窮屈で羽毛が十分にふくらむ余裕がなくなってしまいます。だからマチを高くとっているのですね。

しかし、マチが高いと片寄りがしやすくなるというデメリットが生じます。新品のときは良いのですが10年以上使用して羽毛が劣化してくるとだんだんとヘタリが目立つようになってくるでしょう。

ですので、当店でマチの高さは7cm~8cmほどに設定し、羽毛のふくらむ余裕を確保しながら片寄りを極力抑えることができるように工夫しています。

③羽毛は洗浄・乾燥・ゴミ除去を徹底的にやる。

20181103f

毎日の使用によって羽毛は少なからず汚れたりダウンが壊れて粉々になっているものです。その汚れを取るためにはプレミアムダウンウォッシュは必須であると考えています。

⇒プレミアムダウンウォッシュの行程

羽毛自体を洗浄しないと汚れが完全に落ちることはありません。布団ごと洗っただけの羽毛をリフォームに使うやり方もありますがそれでは不十分です。汚れを取って乾燥させて、劣化したダウン・ゴミを取り除きながら、羽毛をリフレッシュさせてあげましょう。

④補充羽毛をどれにするかで出来栄えが変わる。

20181103k

プレミアムダウンウォッシュを行って劣化した羽毛を取り除くのですが、除去した分羽毛は目減りします。ダウナの羽毛は品質が良く壊れにくいので、シングルサイズでだいたい200gほど減るというのが目安です。←一般的な羽毛布団だと300gくらいは減ります。

減った分を補充するために新品羽毛をミックスしていくのですが、どの羽毛をチョイスするかによって出来栄えが大きく変わります。

20181103i

羽毛布団に使用する水鳥の種類はダック(アヒル)かグース(ガチョウ)に分けられますが、ダウナにダックダウンを補充することは基本的にありえません。なぜかいうと

  1. ダウナには良質なグースダウンが使用されているから。
  2. ダックダウンはホコリが出やすく、ダウンが壊れやすいから。

という2つの理由から。ダウナの良さを復元することを考えれば補充羽毛もダウナに負けないほどのパワーを持つ羽毛を入れるべきです。それにはやはりグースダウンを使うという選択肢がベストと考えます。

グースに比べてダックはどうしても羽毛が小さくホコリになりやすいので、ヘタなダックダウンを補充してしまうと逆に品質が落ちる場合があります。リフォームしたのになぜか以前よりもふくらみや保温性がなくなってしまったと感じる所以はここですね。

20180205l

もちろん、グースダウンであったとしても品質の悪いものは論外。ダウンが大きく育っていてホコリやゴミの混入がきちんと処理されている綺麗なダウンを入れるべきです。

⑤新調する生地は平織り・軽量のタイプを選ぶ。

20181115d

「ダウナの軽くてふんわりした着心地はリフォームしても残してほしい」と、ほとんどのお客様が希望されます。

ダウナの生地はドイツ製の綿100%で平織りという織り方で作られています。その重さは1㎡あたり約88gで超軽量。一般的な羽毛布団の生地はほとんどサテン織りで1㎡あたり130gほどですので、布団のサイズで考えると約300gほどダウナの方が軽くなります。この軽さに惚れている方は多く、リフォームをしても着心地は変えたくない!という気持ちは痛いほど良く分かります。

なので、リフォームで新調する際には綿100%の平織り生地を選ぶこと。間違ってベタなサテン生地を使ってしまうと軽量感と通気度が損なわれます。

当店の平織り生地は、

  1. 綿100%・80番手平織り:重さ→1㎡あたり94g
  2. 綿100%・100番手平織り:重さ→1㎡あたり85g

が主なラインナップ。ダウナにより近いのは100番手の方で、軽さに加えて柔らかな手触りが本当に気持ち良く体に馴染んでくれます。ただし、ダウンプルーフを弱めにかけているので、羽毛の吹き出しが心配な方には80番手をお薦めしています。

サテン生地を使うとすれば、綿100%の100番手サテン織り:重さ→1㎡あたり99gをご提案します。サテン生地の中では最軽量級なので、これなら軽い着心地が損なわれるリスクが少なくなります。

今回お預かりしたダウナのリフォームが完成!

20181115a

<リフォーム内容>

  • シングルサイズ⇒シングルサイズへのリフォーム
  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産スティッキーグースダウン98%ハンドセレクト(DP480相当)を200グラム補充
  • 新品生地:綿100%・80番手 平織り
  • キルティング:たて6×よこ5マス立体キルト・マチ8cm
  • 最終的な羽毛充てん量:1,050g仕上げ

リフォーム参考価格:75,000円(税込)

20181103g

今回のダウナは本当に丁寧に使用されていて、中の羽毛も劣化が少なくファイバー化していなかったことから、補充する羽毛も最高ランクのものをご提案しました。それがポーランド産の最高級グースダウン98%です。

ポーランド産のホワイトコウダマザーグースダウンから大きなダウンだけを手作業で選別したタイプで、パワー・かさ高が圧倒的に高くホコリ、ゴミの混入が極めて少ないです。「生地から羽毛が飛び出してくるのをなるべく避けたい」というお客様の要望もあり、長年使用しても劣化しにくくホコリになりにくい羽毛をチョイスいたしました。

20181115c

生地はもちろん綿100%。ポリエステルなんか使ってしまったらせっかくの羽毛の性能が台無しになってしまいます。

80番手の平織り生地で軽量性と通気度を確保して、着心地をダウナと遜色ないレベルに仕立てあげました。同じ平織り生地でも100番手のより軽い生地を使っても良いな~と思いましたが、ダウンプルーフの関係で羽毛の吹き出しがより少ない80番手の方が安心だというお客様とのご相談の結果です。

どんな羽毛布団でも、リフォームするときにはそれぞれの特徴をしっかり押さえながらお客様の希望通りに、もしくは想像以上に良い仕上がりを目指すようにしています。大事に使っていた羽毛布団がリフォームでなんだかしぼんでしまったら、とっても悲しいですからね。

特にダウナをご使用になっている方は布団に対して愛着を持たれている方が多いので、要望をどこまで汲み取ることができるのかを大事にしています。

羽毛布団リフォームにご興味がある方はいつでもご相談くださいませ。ダウナでも西川でも他メーカーでも、それぞれの布団に合わせてプランを練ってご提案いたします!

それでは、また!

⇒ 羽毛布団リフォームの詳細はこちら