20年以上使用した大塚家具ダウナ羽毛布団。布団カバーを替えるたびに羽毛が吹き出してしまいます…。

こんにちは、店長です!

ジメジメと湿度の高い季節。昨年は愛媛県での雨量がとても少なくてダムの貯水量も低く、水不足の心配が強かったのですが今年は雨の日が多そうな予報です。

しとしとと降り注ぐくらいなら良いのですが、ゲリラ豪雨よろしく雨の量が突然多くなったり、洪水をともなう豪雨に発展することもありますので、皆さまお天気情報には十分注意しながらお過ごしいただければと思います。

気温が高くなるにつれて多くなるのが羽毛布団のお手入れについてのご相談。今年は特に大塚家具ダウナ羽毛布団に関するお問い合わせを多くいただいていて、リフォーム希望でお預かりする機会が増えています。

今回は千葉県にお住まいのお客様からメールでお問い合わせをいただき、20年以上使用している羽毛布団をリフォームして綺麗にお直しした事例をご紹介いたします。

カバーを外すと羽毛が吹き出してくるので、なんとかしたい!

お送りいただいたのは大塚家具ダウナ羽毛布団。シングルサイズを2枚お預かりいたしました。

ひとつは本体のみですが、もう一枚はピンクの掛け布団カバーを外すと羽毛やホコリがわんさか吹き出してくるということで、カバーを付けた状態のままお送りいただくことに。

当店ではどんな状態の羽毛布団や枕でもお預かりすることが可能です。生地が破れていたり汚れやシミが大きくても問題ございません。今回のように布団カバーが付いたままでも大丈夫です。

カバーを外すときに生地や羽毛がファスナーに挟まってしまい解体しなければ布団が取れない場合もありますが、綺麗に外せられたカバーはご返却することもできますのでぜひお気軽にご相談くださいませ。

お布団に付いているタグ。残念ながら今回お預かりしたダウナにはサイズや羽毛量・製造年月などが記載された品質表示タグはありませんでした。

製造されたロットによってラベルのデザインが変わったり、普通なら付いているものが無かったりするのがダウナクオリティ。海外製品ゆえのおおらかさがありますが、幸いにも店長はこれまで各年代のダウナをお預かりさせていただきながら多少のイレギュラーには慣れていますので問題ございません。

まずはカバー付きでお預かりしたダウナから状態をチェックしていきます。ひとまず外見を確認するため、カバーを外してみると・・・。

ホコリのようなものがたくさん出てきました!細かいファイバー状のものが生地に付着しています。広範囲にわたってホコリが吹き出してくるので、布団カバーを交換するのもかなり大変だったことでしょう。

お客様自身も日頃から常習的に吹き出してくるホコリや羽毛に苦労されていて、数年前から対策をずっと検討されていたということでした。

これは経年劣化によって生地が破れたり目地が緩むことによって発生する吹き出しです。

ダウナに使用されている生地は綿100%の平織りという製法なのですが、柔らかい質感・軽さ・通気度の高さが魅力的なものの生地に糸の打ち込み本数が少ないため繊細で破れやすいデメリットがあります。

ご使用10年が経過すると目地が緩んで通気度が一気に上がってしまい、小さなホコリが吹き出してくることがあるため、ダウナをご使用中の方には取り扱いに注意が必要だということをお伝えするようにしています。

次に羽毛の品質をチェック。生地を開いて直接羽毛の状態を判断していきます。

ダウナにはポーランド産ホワイトマザーグースダウンという良質な親鳥から採取された羽毛が使用されています。文言だけで判断するとすれば羽毛布団のなかでも上位ランクに位置する品質なのですが、羽毛も天然資源です。

ワインと同じように採取された年代によって品質に違いが出てくることがありますので、手作業で選別しながら状態を見極めていきます。

選別していくと、小さなホコリをたくさん発見いたしました。これが生地を通り越して外に吹き出してきていたのですね。

ホコリの量はそこそこ多く、トントンと叩きながら羽毛を寄り分けていくと下にホコリがどんどん落ちてくる様子がわかりました。長年使用によって羽毛の劣化が進行している可能性が高いです。

大きくて形の綺麗な羽毛も残っているのですが、少しお疲れが溜まっている様子。なんとなくぺちゃんとしていて元気がなく、立体的に膨らむパワーが弱まっている印象です。

リフォームにて再利用するならば、綺麗に洗浄しながら丁寧に乾燥作業を行うことで、元々の軽やかさ・空気を含む余力をしっかり復元する必要があると感じました。

お預かりしたもう一枚のダウナもしっかり状態チェックしていきます!

こちらは使用年数こそ同じですが羽毛の吹き出しはなく、布団としての膨らみも若干上に感じる所見です。お使いになる環境や体質によって羽毛布団の状態もやはり変化していくものなのですね。

取り出した羽毛です。

使用年数自体は20年以上経過していますので、ホコリや羽毛の劣化はそれなりに発生しています。

しかし、羽毛の形が綺麗に残っていてふわふわとしている姿は先ほどのダウナと少し違ってみえます。

粒立ちがはっきりしていてダウンが形崩れしていない、ポーランドマザーグースならではという良質な羽毛のパワーを感じさせてくれます。

同じダウナ、同じ年数使用している、だけど中身の状態は違っている。

これが羽毛布団の中身です。

きちんとチェックしなければ分からない劣化の仕方とともに、捨ててしまうには非常にもったいない部分が相当残っているという事実も分かりました。

お客様にはこの結果を写真付きでメールさせていただき、電話で細かい状況を聞きたい!とご希望されたので、補足説明とともにリフォームするかどうかについてをじっくりお話させていただきました。

吹き出しがあるけれど着心地は大変気に入っている。なんとか再生できれば嬉しい。これがお客様からいただいた最終的なご希望です。

そのご希望をかなえることができるように、最適なリフォームプランを考えてご提案させていただきました。

リフォームが完成!

<リフォーム結果>

  • シングルサイズ➡︎シングルサイズへのリフォーム
  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を350g追加
  • 新品生地:綿100%・日本製平織り(1㎡あたりの重さ:85g)
  • キルティング:たて7マス・よこ6マス/マチ8cm
  • 羽毛充てん量:現状と同じ1,050g入り

2枚の出来上がり参考価格:195,000円(税込)

※1枚あたり97,500円(税込)

リフォームが完成した2枚の羽毛布団は、ダウナ本来の軽やかさ・体へのフィット感・適度な保温性を実現できるようにと考えてプランニングいたしました。

店長自身も納得できる結果です。ホイップクリームのような角の立ち方、羽毛本来のパワーを感じる仕上がり具合になりました。

お客様から事前に「ダウナのタグは記念に残してほしい」という依頼をいただいておりましたので、布団から切り離したタグは完成品とともにお送りいたしました。

その数日後、お客様からこんなメールが。

羽毛布団を受け取りました。

ふっくらとして、新品になりました。とても清潔で、安心です。

今シーズンは、このまま保管し、秋になったら使います。楽しみにしています。ありがとうございました。

ふっくらとよみがえった羽毛布団の姿にご満足いただくことができて、まずはひと安心です。

夏が終わり、肌寒くなってくる季節が今から待ち遠しい。ぜひ柔らかい羽毛布団に包まれながら、なんともいえない気持ちよさと保温性を感じていただければと思います。

羽毛が吹き出す心配はもうありません。ストレスのない快適な着心地をお楽しみくださいませ。

これからも定期的なメンテナンスやお手入れができますので、気になることがございましたらお気軽にお申し付けください!

この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。