Blog 私たちが伝えたいこと

2019/01/22

「絶対に失敗しない羽毛布団の選び方」は存在しない、という話

羽毛布団

20190120b

2019年1月初旬、

東京都にお住まいの方から「羽毛布団の購入を検討している。相談に乗ってほしい」というメールでのお問い合わせをいただきました。

話をお伺いしてみると、

東京でマンション住まいです。室温は、起きるまでの最低はわかりませんが15.0度まで下がってます。以前は暑がりでした。

羽毛布団に詳しいわけでもなく、寝比べるような環境もなく、仮に数日使った程度で納得できるようなものか?買ったけど残念だったから使わない、にしては高価な買物ですので・・・。羽毛布団の購入に一発勝負感が強すぎて悩みまくりです。

ノーリスク・ハイリターンを望み過ぎなところもありますが、手持ちの羽毛布団も限界を突破しつつあります。手持ちの羽毛布団は25,6年前に実家から「安かったから買った」とだけ聞かされたTUK製(東洋羽毛)。表示タグは完全に真っ白で詳細不明。3×4マスで中央縦の縫合が解けたのか羽毛はU字型に偏る。カバー込みで3.6kgです。寝る前に布団を振って中央に羽毛を寄せるとその時だけ暖かいですが、それも面倒になり寒いけど寝ちゃえみたいな状態です。未練は無いので新調後は破棄予定です。

というかなりの詳細が送られてきました。

羽毛布団の購入が一発勝負のように感じてしまい悩みまくっている・・・。

寝具のお悩みあるある、ですね。羽毛布団のみならず、枕やマットレスなども「どれを買えば良いか分からん!」と悩んでいる方は多いはずです。種類が多すぎる、値段の幅が広い、商品ごとの差が分かりにくい、詳しい説明をしてくれる店がない、など。色々な要因が重なり合ってお客様が悩み苦しんでいるという事実は私たち寝具専門店にとっての大きな課題です。なんとか解決していきたい。

絶対に失敗しない羽毛布団の選び方って何?

羽毛布団を購入するとき、ほとんどの方が一度はインターネットで検索して、購入に至るための情報を探します。「羽毛布団 選び方」とか「羽毛布団 おすすめ」とか、キーワードを入れれば羽毛布団の購入について指南してくれるページがわんさか出てきます。なかには「絶対に失敗しない方法!」と銘打つ記事も。

そのなかに書かれていることの多くは

①ダックとグースの違い

②羽毛の産地についての見解

③ダウンパワーの優劣、ゴールドラベルとかエクセルゴールドラベルなどの説明

④生地について・綿なのかポリエステルなのか、織り方の違い

⑤仕立て方、キルティング、羽毛の量

といった説明がほとんど。どの記事も似たり寄ったりです。読み進めていけば「なんだかんだでグースダウン。できればポーランド産が良いよね。そんでもってダウンパワーの数字が高い羽毛が入っていて、綿100%の生地が使用されていて、手で触ったら弾力感がある羽毛布団がおすすめ!」というような結論になる。あとは西川製が良いよ、とかちゃんと日本製のものを買った方が良いよ、などの補足が入る形ですね。

確かにその結論は正しく、羽毛布団を選ぶうえでの目安にはなります。しかしこの結論だけで幸せになれるひとってどれだけいるんだろう。

この結論通りに商品を選んでいくと、マザーグースなどの保温力の強いダウンが視野に入ります。メーカー製だとすれば羽毛量もしっかり1.2kg以上入っているタイプが候補にあがるでしょう。

でも、それってあなたが使うには保温力が過剰かもしれません。オーバースペックシンドロームです。

絶対に失敗しない羽毛布団の選び方を信じすぎることは危険だと私は思います。

暖かさよりも大事なこと(個人差あり)。

20160507b

今回お問い合わせをいただいたお客様の情報を整理します。

  • 都内在住の男性。
  • マンションにお住まいで、寝室の温度は冬でも15℃ほどにコントロールされている
  • もともと暑がり。
  • 25年以上前から使用している羽毛布団が限界寸前まで傷んでいる。

という状況です。

羽毛布団の買い替えを検討しながら調べていくうちに、東京西川製の羽毛布団(ポーランド産ホワイトグースダウン使用)が購入の第一候補に挙がったそうです。

コレが第一候補→https://www.nishikawasangyo.co.jp/categories/down/10622/

しかし、自身が暑がりであること、寝室もそこまで寒くないことから、これを買ってもし暑すぎたらどうしよう、10万円が無駄になるのは・・・と不安になりました。そこで当店に相談してみた、という流れです。

東京西川の商品自体はとても良いものですので、購入をしっかりオススメできます。しかし問題なのは、このスペックの羽毛布団を使ってお客様が果たして快適なのかどうか。ポーランド産ホワイトグースダウン93%の原料、1.2kgで冬用タイプですから保温性を重視する方にはぴったり。一方そこまで保温性を重視せず、軽さとか着心地を羽毛布団の魅力として捉えているこの方にとってはちょっとやりすぎかもしれないです。

おつくりした羽毛布団。

20190120a

<オリジナル羽毛布団オーダー>

  • サイズ :シングルサイズ(150×210cm)
  • 羽毛原料:ポーランド産ホワイトコウダ種・マザーグース
  • ダウン率:ダウン95%・フェザー5%(DP440相当)
  • 羽毛の量:800g
  • 使用生地:綿100%100番手・平織りバティスト(1㎡あたり85g)
  • キルティング:たて6×よこ5マスキルト 8cmマチ

参考価格:112,800円(税込)

色々お話してみた結果「自分にぴったり合いそうな羽毛布団をつくってください」とご注文を受け、出来上がったのがこちらです。オーダーメイド。

20190120d

20190120e

課題だった羽毛についてはポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を使用。マザーグースを使用した理由は保温性を考慮した訳ではなく耐久性の問題です。大きくて成熟したダウンの方が壊れにくくヘタリにくいという事実ですね。

入れる量は800gと冬用にしては少な目です。だけど、これで十分ではないでしょうか。

900gにしようか迷いましたが、もしこれ一枚で寒ければうす~い毛布やケットをプラスして調整すれば良いわけで。保温性よりも着心地重視、冬だけでなく春や秋にも気持ち良く使えるような羽毛布団を目指した形です。

 

20190120c

生地はもちろん綿100%。平織りで軽量、通気性の良いタイプですので今までよりもムレ感を抑えて快適に。

 

20190120b

羽毛のパワーや品質についてはあえて説明することもないでしょう。洗浄をきちんと行っているとか、ホコリをちゃんと取り除いているとか、産地偽装はないですよとか。そんなことを売り文句にする必要はありません。だってそれは当たり前のことですから。

使ってみてちゃんと安心できるか。長く愛用してもらえるのか。

こういうことが寝具選びにはとても大事です。こと細かい条件を比べがちな世の中だからこそ、自分にぴったり合うようにゼロから寝具をつくっちゃう、という買い方がこれからのトレンドになっても良いなと思います。

そっちの方が圧倒的に完成度が高くなりますからね。販売する我々としても、お客様が一番喜んでくれる方法で寝具をご紹介したいわけでございます。

 

K様、このたびはご遠方からのご注文、誠にありがとうございました。

お使い頂いた寝心地の感想、また聞かせてくださいね☆

それでは、また!

The following two tabs change content below.

店長・三浦 峻

大学卒業後、雑誌編集・ライター業を経て寝具メーカー【西川リビング㈱】に入社。4年間みっちりと寝具・眠りに関する事を勉強して地元・愛媛県に帰郷。現在は三浦綿業の店長として、眠りの大切さを多くのお客様にお届けしています。
カテゴリー キャンペーン・お知らせ

現在、お知らせはありません。