クイーンサイズのダウナ羽毛布団がぺちゃんこに。リフォームでどう変わる?

こんにちは、店長です!

日を追うごとに冬の足音が聞こえてくる今日このごろ。朝晩の気温もグッと下がってきて、本格的な冷え込みを感じるようになってきました。

今年は例年に比べて倍以上の羽毛布団リフォームのご相談、新品購入のご検討されているお客様からのご連絡をいただき、バタバタと毎日忙しくさせていただいております。日本全国からメッセージをいただくことも多く、本当に嬉しい限りです。誠にありがとうございます!

いただいたご相談にはひとつひとつ時間をかけてしっかりとお応えしておりますので、ぜひお気軽にご連絡いただければと思います。

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さて、今回お預かりしたのは東京都にお住まいのお客様からお預かりした羽毛布団。大塚家具製のダウナ・クイーンサイズです。

お客様から最初にいただいたLINEのメッセージがこちら。

現在、大塚家具の羽毛布団ダウナ(クイーンサイズ)を愛用しているのですが…。
15年ほど経過しかなりヘタってきており、羽毛の吹き出しが見られることもあってリフォームを検討しておりました。
色々webで検索しておりまして、三浦綿業さまのブログでご紹介されている丁寧なお仕事に感激し、ぜひお願いできたら…と思い、ご連絡させていただきました。

マンションに住んでおり、比較的過ごしやすい温度帯なこともあって、購入時に店員さんに一年を通して使えます、とのご説明を受けたこともあり、ほぼ一年中このダウナを使用しておりました。(さすがに真冬はベッドスプレッド一枚追加していましたが…)

真夏にはお腹のあたりにちょっとかかるくらいにしてはいましたが、目覚めると蹴飛ばしていたり上に乗ってしまってたり…と愛用し過ぎて酷使していた15年。
どの程度復活できるのかも分かりませんが、以前20年ものを復活されていたのを拝見しまして、勇気を出してお問い合わせさせていただきました。

季節を通して長年愛用されていたというダウナ。羽毛のヘタリや吹き出しが発生しているということですので、現物を実際に見せていただきながら状態チェックをまずしっかりと行っていきます。

東京からこちら愛媛まで布団を宅配便で送っていただくためのキットを手配し、準備は完了です!

お店にやってきたダウナ。

羽毛の吹き出しがかなりひどいということでしたので、布団カバーを付けたまま送っていただくことに。カバーを外すと小さなホコリがふわふわと吹き出していることがすぐに分かりました。

布団を横から見た図。

新品当時はもっと羽毛が膨らんで、ボリューム感があったのだと思うのですが、そこから比べると半分くらいに潰れているような印象です。

ホコリとして吹き出していたり、羽毛が小さくなってしまったり。ぺちゃんこになってしまった理由としては「羽毛の劣化」というのが一番の原因だと考えられます。

劣化の原因はいろいろと考えられますが、

  • 季節を通して一年中ダウナを使用していたので、劣化が早まった?
  • 布団に湿気が溜まっているので、日干しや乾燥を行っていないかも?
  • 目覚めのときや寝返りの際に布団を蹴飛ばしていたことも影響?

というポイントが頭に浮かんできました。特に気をつけたいところは湿気対策。湿気でジメジメしている羽毛は膨らむパワーが弱まったり、絡まって形が崩れてしまうことがあるので、定期的な日干しなどで湿気を逃してあげることがとても大切です。

お客様にこれまでのお手入れ状況をお伺いしてみると、

大塚家具で「ダウナは干す必要がない」とのご案内で安心し切っておりました…また、羽毛布団は日干しダメなのかと勘違いしておりました。

きちんとメンテナンスすることできっと全然違うのですね…これからは気をつけて愛用したいと思います!

どんな羽毛布団であっても湿気対策は必須です。

目安は月に1度の日干しor陰干し。お天気の良い日が続くなら、月に2回ほどお日様に当ててあげるのも良いですね。

花粉症が気になる、ベランダがなくて干せない、という方はぜひ布団乾燥機を活用してみてください。私は冬場になるとほぼ毎日布団乾燥機で羽毛布団に温風を送りながら乾燥させるようにしています。

あ、間違ってもコインランドリーのぐるぐる回る乾燥機の利用は避けてください。ダウナのような繊細で柔らかい生地は摩擦に弱くて破れやすいので、コインランドリーでのお洗濯や乾燥は絶対にやらないようにしましょう!

外観ではかなりのヘタリを感じる今回のダウナ。中身の羽毛を取り出して、羽毛自体の状態をチェックしていきます。

取り出した羽毛がこちら。少し黄色く色づいているかな?という印象です。

ダウナにはポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%という羽毛原料が使用されているので、もともとは真っ白の羽毛のはずです。長年使用によって汗や皮脂が羽毛に沈着している可能性がありますので、リフォームでは綺麗に羽毛を洗浄することから始める必要があります。

取り出した羽毛を選別してみると、羽毛の塊を発見しました。これはいくつかの羽毛が絡まりあってしまったことによる”ダマ”です。髪の毛の寝ぐせみたいなものですね。汗や皮脂、湿気の蓄積によって羽毛がベタつき、ゴワゴワとした硬いボールのようになっています。

リフォームではこのようなダマの羽毛もしっかりほぐして、再利用できるレベルになるまで綺麗に精錬していきます。

※劣化と損傷が激しい場合には再利用を諦める場合ももちろんあります。

こちらは劣化によるダメージの蓄積で羽毛が壊れてしまった部分ですね。吹き出しの原因になるホコリはこのようにしてどんどん増えていってしまいます。

小さな羽毛は空気を含むことができないので、保温性も下がっています。このことが羽毛布団全体のヘタリ・ぺちゃんこな見た目に影響しているということです。

壊れてしまった羽毛は再利用することができないので、汚れとともに綺麗に取り除いていきます。

約15年間、毎日気持ちんも良い睡眠を届けてくれたダウナ。もう一度新品当時の輝きを取り戻すことができるように、お手入れを行っていきます!

リフォームの完成!

<リフォーム結果>

クイーンサイズ1枚➡️クイーンサイズ1枚へのリフォーム

  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を500g補充
  • 新品生地:綿100%・80番手平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
  • キルティング:たて6×よこ7マスキルト
  • 羽毛充てん量:1,480g入り

出来上がり参考価格:110,000円(消費税・往復送料込み)

リフォームで生まれ変わった羽毛布団がこちら。サイズはクイーンサイズでのお仕立て(日本基準の210×210cm)です。

羽毛量は1,480gとお預かりしたダウナと同じですが、見るからにふっくらとしたボリューム感を取り戻すことができました。

羽毛の洗浄と劣化した部分の除去、そこに新品羽毛を補充しながらパワーと弾力性をプラスできるようにリフォームプランを考案いたしました。

布団のなかにたくさんの空気が含まれるので体温を逃さず、外の冷たい空気をシャットダウンしてくれる断熱効果を発揮します。

長く使っても羽毛の吹き出しを抑えられるように、新調した側生地はダウナよりも通気性を低くしたタイプを採用しました。体にぴったり密着するような着心地を実現するには通気性の高い生地がたしかに有効ではありますが、その分羽毛が吹き出しやすくなるためハウスダストアレルギーの方などには注意が必要です。

今回のお客様も「布団カバーを取り替えるたびに羽毛が吹き出して大変!」というお悩みがありましたので、できるだけ軽い着心地を維持しながら羽毛吹き出しのリスクを下げる生地への交換をご提案いたしました。

 

出来上がった羽毛布団をお届けしてから数日後、お客様からLINEメッセージをいただきました。

昨日ダウナ拝受いたしました、そして昨夜さっそく眠りました!
本当に素晴らしい仕上がり、フワフワのあたたかさに包まれてぐっすりでした…ありがとうございました!!
たまたまかとは存じますが、一昨日までの残暑から一気に秋めいた夜で、リフォームしていただいたダウナのあたたかさがたまらなく幸せでした。

開けてすぐは仰っていた通り生地の硬さを少し感じたものの、やわらかなサテンの掛け布団カバーのおかげでさほど気にならず着られました!
それより何より、清潔な香りのボリュームあるフワフワ感にうっとりで…あぁそうだ、最初はこんなだったなぁって思い出して感激でした。これからはきちんと定期的に干して愛用致しますね!

この度は本当に素晴らしいお仕事、素晴らしいお品!ありがとうございました。
今後また寝具のお悩みが発生したらぜひご相談させて下さいませ!どうぞよろしくお願いします。

三浦綿業様のますますのご発展をお祈りしております。

いや、こんなに喜んでいただけて、こちらの方が本当に嬉しくなりますよ・・・!ありがたいお言葉、誠にありがとうございます!

気持ち良い着心地を実感いただけているようで何より嬉しく思います。これからの冬本番シーズンでもぜひご活用くださいませ!

また何かお困りごとがありましたらいつでもお声掛けくださいね☆

それでは、また!