大塚家具・ダウナ肌掛け布団のリフォーム。ヘタった羽毛は復活するの?

こんにちは、店長です!

日本全国からたくさんのご相談をいただいている羽毛布団リフォーム。今回は東京都にお住まいのお客様からお預かりした大塚家具・ダウナのリフォームの事例をご紹介いたします!

一年中ずっと使っていたダウナ。

LINEでのお問い合わせにてご相談をいただいたお客様。内容は、

2010年購入のダウナ。

羽毛の飛び出し、ヘタリ、汚れも気になります。

サイズはそのままでお願いしたいです。

現在小2の息子が生まれてからろくに手入れもしておらず家族3人で使っているので、だいぶくたびれてしまっています。

ここ数年はカバーを洗濯しようと外すたびに小さな羽毛が舞い、床の掃除がストレスになってきました。

買い替えようと思いましたが当時12万円もしたダウナ。リフォームできるならしたいな、と思い、ネットで御社を知りました。まずはリフォームできるかどうか見ていただきたいです。

というもの。年中通して使っていながら日干しなどのお手入れもなかなかできていなかったということでしたので、羽毛の劣化や生地の痛みもかなり進んでいるかもしれない…と思いながらダウナをお預かりさせていただきました。

現物を見ると、確かに薄くペラぺラな感じ。これは冬用ではなく夏用に仕立てられた肌掛けタイプだなとすぐに分かりました。羽毛がヘタってここまで薄くなったのではなく、元から入っている羽毛量が少なくて、という理由です。

ただ、所々に生地の劣化・汚れが見受けられ、羽毛の片寄りも発生しています。小さなお子様と一緒に家族みんなで使っていたということでしたので、端っこを引っ張ったり布団の上に転がってみたり、いろいろなダメージが蓄積していることが想像されます。家族みんなで仲良く、ぐっすり眠っておられた証拠ですね!

購入からはまだ10年。ダウナほどの高品質な羽毛布団であればまだまだ再利用する価値があるはず、と考えながら状態をチェックしていきます。

サイズはダブルサイズ。ダウナは海外仕様のサイズ仕立てなので、日本の規定サイズとは少し異なります。日本規定のダブルサイズは幅190cm、丈210cm。ダウナは幅185cmとなり、5cm短くなっています。

羽毛量は500g。ダウナ・ダブルサイズの冬用タイプでは1,240gの羽毛が入っているので、半分以下のボリュームですね。夏にも使える肌掛けというタイプです。

私自身も勉強のためにダウナを購入していて、シングルサイズではありますが今回のお客様と同じ肌掛けタイプを使っています。冬には保温性が足りないので別の羽毛布団を使用していますが、軽くてムレ感が少ないので7月ごろから使うのに重宝します。

※大塚家具・ダウナにはプレミアム、レギュラー、ミディアムなど、中身の羽毛量の違いによって名称が異なっているのですが、一番羽毛量が多いプレミアムは公式HPから削除されていました。冬用としてもっとも販売数の多かったシリーズ、プレミアムはもしかしたら今ではもうなくなっているかもしれません。

外観を見ると劣化やヘタリが進行している今回のダウナ。では中身の羽毛はどうでしょうか?生地を開いて取り出してみると、ふわふわの羽毛がたくさん出てきました。

羽毛を手作業で選別してみると、羽毛が崩れて小さなホコリになっている部分がちらほら。経年劣化とともにご家族の体の重みや引っ張りによるダメージが羽毛に少なからず現れていることが分かります。

お客様にこの事実をお伝えすると「一年中ずっと使っていたのもあるけれど、子供の寝相が悪かった時には布団の上でゴロゴロ転がっていたなぁと…笑」という過去の思い出をお聞かせいただきました。

加えて、大塚家具の店員さんからダウナは干さなくて良いと言われたので日干しをした経験がないということも聞かせていただき。私が書いている他のブログ記事でも口すっぱくお伝えしているのですが、「ダウナであろうが他の羽毛布団であろうが、日干しは絶対にした方が良い!」です。これは過去の経験、たくさんの方からお預かりしたダウナの羽毛の状態を比較しているとよく分かります。

羽毛は空気を含んだり発散したりしながら呼吸をするように動いてくれるのですが、湿気がたまってしまうと思うように呼吸ができなくなり、ボリュームダウンにつながります。加えて一度湿ってしまうと乾くのにとても時間がかかってしまうので、羽毛が小さく潰れてしまい劣化を早めることも。ぜひ月に1回でも良いので、よく晴れた日の午前中2時間くらい日に当ててあげてください。もちろん陰干しでも布団乾燥機の使用もOK。

あ、コインランドリーのようなグルグル回る乾燥機は生地を傷めてしまう恐れがあるので、できればやめた方が良いと考えます。

選別を続けていると、さっきの小さなホコリとは全然違う、大きい形を維持している羽毛もしっかり発見することができました。

こういう綺麗な羽毛はまだまだ再利用する価値があります。多少湿っているので、しおれた花びらのようになっていますが、綺麗に洗浄してゆっくりと乾燥させることで元のふわふわ羽毛に回復させることが可能です。

一連の状態チェックの結果を全てお客様にご報告し、リフォームは可能です!とお伝えするととても喜んでいただきました。家族みんなで長年使っていた羽毛布団ですからね、愛着もあるしまだまだ活躍できるようにお手入れさせていただきます!

リフォームの完成!

<リフォーム結果>

  • ダブルサイズ➡︎ダブルサイズへのリフォーム
  • プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
  • 新品羽毛の補充:中国吉林省産ホワイトマザーグースダウン95%を300g補充
  • 新品生地:綿100%・80番手平織り(1㎡あたりの重さ:95g)
  • キルティング:たて7×よこ8マスキルト
  • 羽毛充てん量:500g

出来上がり参考価格:60,000円(税込)

リフォームはとても綺麗に仕上がってくれました。新品羽毛も補充しながらボリュームと膨らむパワーを回復させて、生地は綿100%平織りタイプでの新調。

ダウナと同じ製法の生地を使用することで通気性と軽さを高く維持できるようにしています。もっとも、吹き出しのしやすいダウナ生地よりは通気性を低くしているので、今までよりもホコリの心配なくお使いいただけると思います。

羽毛の片寄りを防ぐため、そして着心地のフィット感を向上させるために、キルテイングをダウナより細かく設定しました。布団のマス目を多くすることでダウンジャケットのようにぴったりと体にくっついてくれます。

お客様は一年を通してこの羽毛布団を使うということですので、通常よりも布団の劣化が早くなってしまいます。羽毛の片寄りが発生してしまうと肩や首周りのボリュームがなくなって寒く感じてしまうので、その辺りもできるだけ長持ちして欲しいという思いを込めてお仕立ていたしました。

羽毛量は500g、サイズもお預かりしたダウナと全く同じに仕上げました!

出来上がった羽毛布団をお届けしてから数日後、お客様からこんなメッセージをいただきました。

おはようございます。昨夜、無事に羽毛布団を受け取りました。

羽毛布団がリフォームされただけでもありがたいのに、手書きのお手紙に羽毛布団の取説まで、本当にご丁寧にありがとうございます!

写真で見てはいたものの、実際に手元に届いてみると、真っ白でパリパリで(側生地)、ふわっふわで最高です。感動しました。サンブンノイチのタグもカワイイです。

毛布なしでもポカポカで気持ち良く眠れました。

今年は帰省も出来ず、自宅での年末年始ですが、おかげさまで快適に過ごせそうです。これから先10年は大事に使わせていただこうと思います。

また何かありましたらご相談させてください。

偶然ネットで見つけたご縁でしたが、お願いして本当によかったです。

こんな素敵なお店が近くにもあったらな…いつか東京進出しませんか??

これからも時々ブログやインスタを覗かせていただきます。

この度はありがとうございました!

嬉しい感想をいただきました!出来栄えと寝心地に喜んでいただき、とっても嬉しいです!

T様、この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございました。

また何かありましたらいつでもお気軽にご相談くださいませ!

なかなか落ち着かない日々が長く続きますが、眠る時くらいは肩の力を抜いてリラックスして、ゆっくりおやすみいただくことが私たちの願いです。

お体を大切にしてお過ごしくださいませ。

それでは、また!