こんにちは、店長です!
今年も羽毛布団をお手入れする季節がやってきました!冬に大活躍してくれた羽毛布団を丸洗いクリーニングで綺麗に汚れ・臭いを落としたり、長年使用した羽毛布団をもう一度ふっくら復活させるリフォームを行っています。
今年は暑くなるのが早かったので5月に入ってからたくさんのお問い合わせとご相談をいただいております。日本全国の皆さまが当店のHP・ブログを見つけていただいたことがきっかけで、寝具に関するお悩み解決に少しでもお役に立つことができて本当に嬉しく思います!
気になることやお困りごとがございましたらぜひお気軽にメールやLINEでお問い合わせくださいませ✨
使用歴20年、30年といった長年使用の羽毛布団をお預かりするケースも多くありますので、まずはご相談いただければと思います。
さて、今回は東京都にお住まいのお客様からお預かりした羽毛布団をお手入れさせていただきました。
当店での相談件数の多い大塚家具ダウナ羽毛布団のリフォーム事例です。
お客様からいただいたご相談メールには、
- 10年から15年ほど使用しているダウナのクイーンサイズ
- 羽毛やホコリの吹き出しが気になる
- 羽毛が布団のなかで片寄っている
- 以前に比べると暖かくなくなってきたように感じる
というお悩みが記載されていました。
使用歴15年ほどを迎えると、新品のころと比較したときにだんだんと膨らみや保温性が弱くなってきたなと感じるのが大体の相場です。特にダウナは使用歴10年を超えると一気に生地の目地が緩みだしてホコリや羽毛の吹き出しが多くなってくるということを経験的にも実感しています。
ただ、羽毛というのは水鳥の羽根ですので、貴重な天然素材・資源です。少し弱ったからといって捨ててしまうのは非常にもったいないと店長は考えます。
ダウナに使用されている羽毛はポーランド産ホワイトマザーグースダウンという成熟した親鳥のものです。もちろん状態によってリフォーム不可の場合もありますが、リフォームする価値があるとすれば丁寧に洗浄しながらお手入れすることで綺麗によみがえることができる品質です。
お客様には当店のリフォームプランやご注文からの流れ、お預かりするときの方法をご説明させていただき、実際に羽毛布団を当店まで宅配便で送っていただきました。
まずは品質表示のタグをチェック。ここにはサイズ、羽毛の種類や量、生地、製造年といった情報が記載されています。年数が経過すると文字が消えて読めなくなることもありますが、今回はばっちり。
一番下に書かれている数字が製造年の目安です。2011年製造なので今年で13年ほどの使用歴だと想定することができます。
外見を見てみると所々にシミや汚れが。クイーンサイズという横幅が大きなタイプですのでご家族みなさまでお使いになっていたのでしょう。掛けふとんカバーを使っていても気づかぬうちに布団本体に汚れがついてしまうことがあります。
シミがどんどん大きくなったり汗や皮脂汚れをつながってしまうと生地の劣化が進行します。破れやすくなったり穴が開いてくることがありますので注意が必要です。
布団を広げたり動かしている間に小さなホコリがふわふわと吹き出してきました。テーブルの上にもこんな感じ。
お客様から事前にお伺いしていたとおり、羽毛の吹き出しがはじまっている様子です。
布団を広げてみると真ん中あたりの部分がボリュームダウンしている様子。はじっこよりも布団の真ん中は劣化が進みやすいので羽毛にもある程度のダメージやヘタリがありそうですね。
では、生地を少しずつ開いて、中に入っている羽毛を取り出してみましょう。
少しずつ取り出していくと、白くてふわふわの羽毛が見えてきました。
ホワイトダウンと呼ばれる白い羽毛がダウナには使用されています。水鳥の品種によって羽根に色がついていることもありますが、その場合にはシルバーダウンやグレーダウンといった名称になります。
取り出してみた羽毛。この量で2gほどです。
ここから手作業で選別しながら状態をチェックしていきます。
軽く叩きながら選別していくと小さなホコリが見えてきました。ファイバー状のものは羽毛が劣化して壊れたりホコリになってしまった部分です。
イメージとしては想定よりも少しホコリが多いなという印象。13年ほどの使用歴ダウナであればホコリの量がもっと少ない方もいらっしゃいます。
複数人で使用したり小さなお子様と一緒に使っていたとすれば布団にかかる圧力や摩擦がどうしても増してしまうため、このように羽毛が崩れてホコリっぽくなってしまうんですよね・・・。
ホコリが多くなるとおのずと吹き出しも多くなるためお客様が悩まされていた状況も頷けます。リフォームする際には羽毛を洗浄しながら丁寧に汚れとホコリを取り除く必要があると判断いたしました。
一方こちらはマザーグースダウン本来の大きくて形の綺麗な羽毛です。取り出した羽毛からピックアップすることができました。
羊毛しかり羽毛しかり、動物の毛にはキューティクルといううろこ状のヒダがあり、すこしうねりながらの動きがあります。
人間の髪の毛と同じですね。水分量によってうろこが閉じたり開いたりしながら毛質を守り、特に羽毛の場合には毛が重なり合うことによって丸いボールのような形になり、空気を含みながら大きく膨らんでいきます。
マザーグースから採取される羽毛は一粒ずつの輪郭がよりはっきりしていて毛も密集しています。密度が高く空気をたくさん取り込むことができるからこそ、結果的に断熱効果=体を保温してくれる能力がいかんなく発揮されるということです。
大きな羽毛がしっかり残っていることが確認できましたので、今回お預かりした羽毛布団は十分再生可能です。リフォームしながら綺麗に回復することができます!とお客様にご案内いたしました!
リフォームが完成しました!
<リフォーム結果>
- クイーンサイズ➡︎クイーンサイズへのリフォーム
- プレミアムダウンウォッシュ(布団を解体して取り出した羽毛を直接洗浄する)
- 新品羽毛の補充:ポーランド産ホワイトマザーグースダウン95%を400g追加
- 新品生地:綿100%・日本製平織り(1㎡あたりの重さ:94g)
- キルティング:たて7マス・よこ6マス/マチ7cm
- 羽毛充てん量:1.480g入り
出来上がり参考価格:120,000円(税込)
完成した羽毛布団がこちら。
ふわふわに膨らむボリューム感、そしてダウナならではの軽やかな着心地を活かしながらお仕立ていたしました。
クイーンサイズへの仕立て直しですが、ダウナは海外仕様のサイズゆえに横幅220cm。日本基準では横幅210cmが主流なので布団カバーやシーツも210cmに合わせて作製されることがほとんどです。
リフォームではお好みのサイズに合わせてお仕立てすることができるので、今回は日本基準のクイーンサイズとして作製いたしました。
出来上がった羽毛布団をお客様にお届けしてから数日後、当店のGoogle Mapの口コミに感想を投稿していただきました。
羽毛布団のリフォームをお願いしました。
いくつかの候補がありましたが、一番返信が早く、リフォーム案もいくつも提案してくださり納得した上で依頼する事が出来ました。出来上がりも大変満足しています。
有り難いお言葉とともに、リフォームの仕上がりにご満足いただけたことが何より嬉しいです!
K様、この度は当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
リフォームで生まれ変わった羽毛布団でこれからも気持ちよくおやすみいただければと思います。
これからも寝具のメンテナンスや使用3年〜5年ごとに丸洗いクリーニングなども行うことができますので、またぜひお気軽にお申し付けください☆
今後とも何卒よろしくお願いいたします!