
こんにちは、店長です!
先日、メールでのお問い合わせで「羽毛布団の選び方」に関するご相談をいただきました。
メッセージを送っていただいたお客様は羽毛布団の買い替えを検討していて、色々と調べているうちに当店のブログを見つけてくださったそうです。嬉しい!
ご夫婦おふたりで使用する羽毛布団が欲しいということで羽毛の産地や種類、築浅のお住まいに一番合う保温性などについて質問をいただきつつメールにてやりとりを行なっていたのですが、羽毛布団の生地に関するところで、
「今まで使ってきた羽毛布団の生地はサテン織りでしたが、御社のブログでは平織りの羽毛布団が紹介されていました。どちらの生地の方が良いのでしょうか?」
というご質問をいただきました。
羽毛布団はサテン織り生地を使うことが多い。なぜ?

まず、結論から申し上げると「サテン織り・平織りどちらも良いよ!」ということになります。ポリエステル素材の生地はやめた方が良い、綿100%が推奨という根本的な条件がクリアされているながらどちらの織り方でも特に問題ありません。
しかし、これではお客様へのQ&Aとしてまったく機能していないので、寝具専門店のスキルを活かしながらもっと突き詰めていきます!
まずはサテン織りの説明から。
サテン織りとは見た目に光沢があって手触りが柔らかいタイプの生地です。呉服や布団生地に昔から使用されておりドレスやネクタイなどにも用いられる生地。寝具メーカー西川などが製造する羽毛布団のほとんどがこのサテン織り生地を採用したモデルになります。
おそらく皆さまが使っている羽毛布団もサテン織り生地で仕立てられているのではないでしょうか?

丸八真綿などのメーカー製造の羽毛布団では写真のような豪華な刺繍付きの生地が用いられることもあります。こちらもサテン織り生地ですね。綿100%やシルク混紡のタイプなどさまざまではありますが、触ったときにしなやかで柔らかい質感が特徴的です。
サテン織り生地のメリットとしては、
- 柔らかい、光沢があって豪華に見える
- 糸をたくさん使って織り上げるので通気性を抑えることができる
- 摩擦が少ない
ということがいえます。
特に摩擦が少ないのでカバーリングとの沿いも良く、うまくフィットしてくれることが良いところです。
通気性としては大体1.8ccくらい。1秒間に生地を通過する空気の量を計測することで通気性をはかるのですが、3.5cc以上になると日本基準としては羽毛やホコリが吹き出しやすくなると考えられています。
ポリエステルの生地では通気性が1ccに満たないケースが多く、こうなってしまうと逆に通気性が悪いので布団内部に空気が入っていかず羽毛が呼吸できなくなります。湿気もたまりやすいのでジメジメと不快感が高まることもあり、ポリエステル素材は羽毛布団に使って欲しくないと思ってしまう所以なのです。
反対にサテン織りのデメリットとしては、
- 糸をたくさん使うので平織りに比べると重量が重たい
- 通気性が低いので空気の循環効率がやや劣る(ポリエステル生地が最悪)
- 引っ張ると伸びやすいため、丸洗い後に生地の目地が緩む可能性がある
という点が挙げられます。メリット・デメリットは表裏一体ですね。
一番感じやすいのは重さです。平織り生地と比較すると一発で分かるくらい、どしっと重たい印象になります。
シングルサイズならまだしも、ダブルサイズやクイーンサイズなど大きくなればなるほど生地もたくさん使うことになるので、重量の違いは着心地にもかなり影響していきます。
じゃあ、平織りのメリット・デメリットは?

対する平織り生地の特徴とは。まずメリットを挙げていくと、
- 重量が軽い
- 通気性を高く維持することができる
- 丸洗い後にも形状が変化しにくい
というポイントがあります。
平織りは経糸・緯糸を交互に織っていく、織物としては一番原始的な生地です。オックスフォードシャツ、浴衣に使用されることで良く知られ、通気性が高いことで湿気を逃すことができるのでさらっと着られる心地が魅力です。引っ張りにも強いので破れにくくワークウェアや帆布バッグにも活用されます。
また、サテン織りよりも糸の本数が少なくできるので重量が軽くなります。平織りの方が20%~30%ほど軽くなるので、持ったときの印象が変わります。羽毛の膨らみをつぶすことなく、ふわっとしたボリューム感が出やすいです。
デメリットは、
- 通気性を高くしすぎると羽毛が吹き出しやすくなる
- 手で触ると硬い印象
- 使い始めはカサカサという音がする
という3つ。サテン織り生地に比べるとカサカサ音がしたり、質感が少々硬く感じるはずです。
また、通気性を高めすぎるとホコリがどうしても出やすくなるため、ハウスダストやアレルギー体質の方には注意が必要です。リフォームでお預かりする事例が多い「大塚家具ダウナ」は通気性3cc以上という説明が販売店様からありましたが、私が独自に品質検査機関に出したときの結果は通気性6ccという数値でした。
通気性が高い=空気が循環しやすく体にぴたっとフィットする着心地を実現することができる、その反面羽毛やホコリが吹き出しやすいというリスクを考えなければなりません。
ここまで見た最終的な結論としては、
- 「軽くてあったかい」という着心地の良さを最優先するならば平織り生地がおすすめ
- 柔らかい質感が好き、カサカサ音が気になる、ホコリに敏感という方にはサテン織り生地がおすすめ
という2軸の方向性になる、というのが私のアンサーです。
あなたはどっちを選ぶ?

今回ご相談いただいたお客様にはそれぞれの生地のメリット・デメリットをご紹介させていただきました。その上で着心地を重視されるのか、旦那様・奥様が暑がりなのか寒がりなのかという条件も考慮にいれつつ、おすすめプランをご案内させていただきました。
奥様的に質感が柔らかい方が好みということもありサテン織りにしようかなとなったのですが、以前使っていた肌掛け布団が平織り生地のもので、使っているときの手触りや耐久性に不満がなかったことを思い出したそうです。
今回はダブルサイズの羽毛布団を検討されていたので「暑がりの旦那にもちょうど良い着心地を実現したい」ということで、最終的には平織り生地を採用することが決まりました。
お客様ごとにご希望が異なり、方向性もさまざま変わります。お使いいただく方にとって最適なプラン・着心地をお届けすることが一番の正解だと思っているので、ぜひ色々なお話を聞かせていただきながらご提案できれば嬉しいなと思います。
「この話はあまり関係ない?」ということが、実は一番大事だったりするかもしれません。
些細なことでもぜひお気軽にご相談ください✨

